今回は、動物に関する本のうち特に動物への暴力について考えさせられる本をランキング形式で紹介します。
では早速紹介していきます。
4.動物の解放/ピーターシンガー
なぜ私たちは動物に対しては暴力を当然のものと考えてしまうのか?
それは種差別という種族が違うが故の差別ではないのか?
苦しむ能力を持つ対象に対しては暴力は振るうべきではないのではないか?
このようなことが哲学者であるピーターシンガーによって論理的に述べられる本です。
過去に紹介させていただいていますので、詳しくはは下のリンクをご参照ください。
動物の解放/この世界に溢れる種差別を知って欲しい。 - animal reading
『動物の権利運動のバイブル』と呼ばれるほどであり、この本が動物たちの地位向上に果たしてきた役割は計り知れないです。
ですので、本当に全ての方に読んでほしい1冊なのですが、過去から人が行ってきた動物たちへの暴力が凄惨すぎて、読むのに苦慮してしまうことからこの順位としました。
ピーター シンガー 人文書院 2011-05-20
3.マンガで学ぶ動物倫理/伊勢田哲治
この本は生き物探偵をしている高校生が生き物に関する問題を考えていく、というストーリーであるため非常に読みやすい内容となっています。
この本をおすすめしたい理由は2つあります。
①殺処分のことや、動物実験、肉食、動物園、外来生物、イルカ・クジラ漁問題など動物倫理について網羅的に書かれていること。
②ありとあらゆる問題について、結論を急がず、様々な側面があることを教えてくれること。
例えば、動物実験の章では、欧米と比較して日本の規制の脆弱性について述べられる一方で、本当にそこまでの規制が必要なのかどうかということも問題提起されます。
動物に対する問題がなかなか解決できないのは、その問題があまりにも複雑だからであり、だからこそ様々な角度から検証する必要があることを教えてくれます。
これらの理由から、僕はこの本は動物に関する問題を考えるための導入の本として最も適していると考えています。
伊勢田 哲治,なつたか 化学同人 2015-11-16
2.それでも命を買いますか?/杉本彩
女優の杉本彩さんが動物愛護団体の代表を務められていることを知っていますか?
この本は日本のペットビジネスにおいて、動物たちがどれだけ悲惨な扱いを受けているのかということを中心に書かれます。
そして、動物愛護団体について書かれた本でもあるので、この本を読めば過激であるという誤解を受けやすい動物愛護団体が、
何をしているのか?
何を目指しているのか?
何に対していきどおっているのか?
ということがわかります。
その上で、これから何をすべきかということも提示されます。ペットビジネス問題を考える上での導入の本としてぜひ読んでいただきたい1冊です。
1.犬を殺すのは誰か/大田匡彦
AERAの記者である太田匡彦さんが日本のペット流通がいかに狂っているかということを暴いてくれた1冊です。
僕はこの本を読むまで、動物たちがペットショップに至る前にペットオークションなるものにかけられていることを知りませんでした。
ペットオークションとは文字通り、生きた子犬たちが競りにかけられることです。ペットオークションには動物取扱業さえ取得していれば誰でも出品できる。
衆議院時代に複数のオークションを視察した藤野真紀子さんは、こんな印象を受けたと話す。
「命をモノのように認識し、モノのように扱う場。生まれてすぐの子犬があのような形で人目にさらされ、親兄弟と切り離されていいくペットオークションというシステムは、一般人の感覚では受け入れがたい。」
ペットオークションの何が問題かというと、出品の敷居が低いので子犬工場を運営するような悪徳ブリーダーの資金源となって、幼い子犬が流通する舞台となり、トレーサビリティの障壁にもなっているからです。
他にも、動物愛護団体の悲願である動物の愛護及び管理に関する法律の改正に、何が、誰が障害となっているのかということも緻密に書かれています。
2018年は動物の愛護及び管理に関する法律の改正の年でもあるので、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
おわりに
動物福祉に関係するような本を紹介させていただきました。
動物に対する暴力を減らすためには、まずは僕たちが動物に対する暴力について改めて認識する必要があると思っています。
そんな本を今回は紹介させていただきました。
全ての本が貸し出し可能ですので、ご興味のある方はぜひお声かけください。