ロヒンギャというミャンマーに暮らす民族とその難民問題を知っていますか?
ロヒンギャ難民問題のイベントに参加してきました。
参加のきっかけは望月優大さんのツイートでした。
◎ロヒンギャ難民問題に関するイベントをやります。7/26木曜夜@田町です。ドキュメンタリー映画監督の久保田徹くん @torukubota23 、一緒に現代ビジネスの記事を作った編集者の佐藤慶一くん @k_sato_oo も来てくれます。主催は世界の医療団 @MDM_JP です。
— 望月優大 (@hirokim21) 2018年6月29日
RT歓迎。詳細は→ https://t.co/XGIOdWrEGn pic.twitter.com/LMwQWtgYbY
このイベントに参加するまで僕自身ロヒンギャのことはほとんど知らなかったので、今もなおほとんど素人に近い知識です。
ただロヒンギャのことを知った一人として、伝える義務があると思いこの記事を書いています。
専門的な内容ではありませんが、ロヒンギャという民族が直面している問題について知ってもらいたいと思います。
ロヒンギャとは?
ロヒンギャとは元々はミャンマーに暮らす民族のことで、"世界で最も迫害されている少数民族"と記されることもあります。2017年に起きたミャンマー軍との武力衝突を機に、その民族のほとんどが生まれ育ったミャンマーからバングラディシュに逃れ、世界中にその存在が知られることになりました。国民の大多数が仏教徒であるミャンマーでイスラム教を信仰するロヒンギャは、数十年に渡り段階的に迫害を受け続け1982年には国籍をも剥奪されました。
バングラディシュの難民キャンプには90万人を超えるロヒンギャ民が滞在し、バングラデシュ政府や国際社会の支援のもと、日々の生活を送っています。
難民の受け入れが極端に少ない日本ではなかなか意識しにくい問題ですが、ロヒンギャとは何年もの間迫害され続けてきた民族です。例えば、移動の自由が制限されていたり(その結果、適切な医療所に行けなかったり)、教師や警察といった公職につけないなどの差別が当然のことのように行われています。
ミャンマーから見たロヒンギャ
ミャンマーでは現在ロヒンギャという言葉そのものが認められずしようされていません。ロヒンギャと聞くだけで怒りを露わにする知識人も多いそうです。
その怒りの一つの理由がミャンマーの民主化の母と呼ばれ、広く愛されているアウン=サン=スーチー氏を批判する不法入国者(ロヒンギャ)を許せないという感情もあるようです。
なおロヒンギャは2017年の衝突以降、テロリスト認定もされ、ヘイトが高まっています。
(2017年にロヒンギャの過激派が警察を襲撃したことが、テロリスト認定や軍の介入を引き起こしたのは事実のようです。ですがその過激派が民族全体の意向を表しているかと問われればそうではないはずです。)
添付したライトアップロヒンギャという動画はミャンマーサイドの感情も描いたわかりやすい動画になっています。
伝えることが我々ロヒンギャのためになることを願って
今回のイベントの中で難民キャンプで暮らす青年からのビデオメッセージがありました。彼らはミャンマー政府にマークされないようにモザイクがかけられた状態で私たちに語りかけてくれました。
いかに自分たちが迫害を受けてきたのかということ、バングラデシュに命からがら逃げ出したこと、いつかミャンマーに帰りたいということ。
辛い記憶を掘り起こしてまでなぜ僕たちに語りかけてくれたのは、「伝えることが我々ロヒンギャのためになることを願って」という思いからでした。
僕が今回素人ながらにこの記事を書いているのも彼の思いを一人でも多くの人に伝えるためです。
webメディアでロヒンギャを取り上げるということ
今回のイベントではライターの望月優大さんや週間ビジネス編集者の佐藤慶一さんといったメディアについて造詣の深い方々も来られていました。
彼らの話の中で、社会問題とメディアの関係について僕たちも知っておくべきことを述べられていたので共有します。
webメディアとは広告収入で成り立っているものであるため読まれにくいテーマは記事になりにくい。だからロヒンギャのことは他誌で記事にされにくい。
webメディアは検索流入かSNSの拡散から読まれる。キャッチーなものはSNSでシェアされて広まる傾向があるが、シェアすることが恥ずかしいと思われるようなものについてはシェアされない。
ロヒンギャは検索流入がほとんど。つまりすでに興味を持っている人が読んでいる。
鶏と卵の関係ではないが、記事の内容に関心を持つ人が増えないとそういう記事が出てこない。だからそのテーマに関する情報が衰退してしまう。
このような悪循環はロヒンギャ問題に限らず、多くの社会問題が抱えている問題だと思います。
ただ話を聞いていて思ったのは、こういう悪循環を打破するのは収入を気にしなくてよい僕たちのような個人メディアなのではと思いました。
だから僕たちは自分の関心のあるテーマについてもっと多く発信していくことができる土壌を持っているということを理解しておくべきです。
支援は間接間接でいい
ロヒンギャのように問題の規模が大きすぎると自分自身のできることは意味がないのではと思ってしまうこともあります。
それでも望月さんは、支援は間接間接でいい。とおっしゃってくれました。直接ミャンマーやバングラデシュに行って支援できなくとも、寄付することや記事をシェアすることが十分支援になり得るのです。
第一線で活動される方にこのように言っていただけたのは非常に心強いものがありました。
もしロヒンギャのことについて何か思うことがありましたら、間接でいいので一緒に頑張りましょう。
参考資料
より詳しいことを知りたい方は是非以下のリンク先をご参照ください。
5問でわかる「ロヒンギャ問題とは何か?」スーチー氏が直面する壁(根本 敬) | 現代ビジネス | 講談社(1/5)
私が生まれた地球には、私の属する場所がない。ロヒンギャ青年の証言(望月 優大) | 現代ビジネス | 講談社(1/5)