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クジラの歌

生物多様性の理解と動物福祉の向上を目指して。

【今だから読みたい名作文学】銀河鉄道の夜/宮沢賢治【しくじり先生】

『私がきました。』

 

オリラジの中田敦彦(あっちゃん)が教壇に立つとともに始まる、『今だから読みたい名作文学』というしくじり先生のコーナーが大好きです。

ちなみにこのセリフは、あっちゃんが絶賛していた『僕のヒーローアカデミア』のオールマイトのセリフのオマージュだと思います。

 

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(僕のヒーローアカデミアより)

 

さて、初回の先週はサン=デグジュペリの星の王子様が紹介されていました。

この名作って言うのはなんとなく世界の名作文学を紹介していくコーナーなのかなと思っていて、個人的にはドストエフスキーの『罪と罰』とか紹介してくれたらななんて考えていました。

が、今回はなんと私が考える日本史上最高の童話作家『宮沢賢治』の銀河鉄道の夜が紹介されました。

 

宮沢賢治の名前とその作品を知らない人はほとんどいないと思います。

というのも国語の教科書に採用されることも多いからです。

私が小学生のころには『注文の多い料理店』を国語の授業で学んだことを覚えています。

他にも『風の又三郎』や『雨ニモマケズ』といった作品を読んだことのある人は多いと思います。私も少なからず宮沢賢治の作品を読んできました。

 

その中で私が最も好きな作品が『銀河鉄道の夜』です。

以下、あっちゃんの解説と共に銀河鉄道の夜を紹介していきたいと思います。

 

銀河鉄道の夜、発行は実は83年前です。

しくじり先生のメンバーも読んだことがあるけど記憶にはぼんやりとしか残っていないという印象を持たれていました。

あっちゃんにどんな作品でした?と聞かれたときに『登場人物がカタカナだったような気がする』といったような。

そして、それに納得するあっちゃん。続けてこう言います。『銀河鉄道の夜には難解な部分がある。それを今回紐解いていこうと思う。

 

ちょっと話が脱線しますが、これこそが『今だから読みたい名作文学』の素晴らしいところです。

前回の『星の王子様』の解説もそうでしたが、さらっと一読しただけじゃわかりにくい部分を丁寧に解説してくれます。そしてそれがとてつもなく面白いんです。

学生の頃の国語の授業がこの今だから読みたい名作文学だったら、読書好きがもっともっと増えると思います。もちろん、このしくじり先生のコーナーと国語の授業が目指すベクトルは異なるのは十分承知しています。

でも、学校って結構読書を勧めてくるじゃないですか。朝の10分間の読書とか。その割には読書の素晴らしさはあんまり伝えられていないような気がします。

個人的には是非多くの学生にもこのコーナーを見てもらって、読書を好きになってもらいたいんです。なぜなら読書が共感や優しさの滋養に役立つと科学的に証明されているからです。

 

話を銀河鉄道の夜に戻します。

 

あっちゃんはこの作品の最初に引っ掛かるポイントをキャラクター名前が独特なことであるといいます。

・主人公のジョバンニ

・ジョバンニの親友のカムパネルラ

・悪ガキのザネリ

オードリーの若林が「イタリアのスタメンみたい」というくらい日本人の名前からはかけ離れています。

 

しかしこの作品の舞台はなんと宮沢賢治の出身の岩手県なんです。

私も知りませんでしたが宮沢賢治の作品のほとんどが岩手県を舞台とされているそうで、『注文の多い料理店』や『風の又三郎』といった作品も舞台は岩手県なんだそうです。

 

それで私も思ったんですよ。

ジョバンニが岩手県にいたら違和感があって記憶に残っているはずだろうと。でも、舞台が岩手県ということを私は認識していなかった。

なぜなら宮沢賢治は岩手県のことをイーハトーブと呼んでいたからです。

イーハトーブのジョバンニであれば違和感はないですよね。

これはちぇるちぇるらんどからきたりゅうちぇると同じ考え方のようです。笑

 

そして作品は第一の挫折ポイントを迎えます。

地味に嫌なことがたくさん起こる。

同級生に父親の仕事をいじられるとかハードなアルバイト、いじめっ子のザネリとの遭遇などです。

でもこれは後に訪れる綺麗な描写の前振りですので、それすら楽しんで読み進めましょうと言ってくれます。

つまらない部分の読み方を教えてくれるってなかなかないですよね。

 

そして、嫌なことが立てづづきにおこり、逃げ出して丘までかけていったジョバンニは寝そべって星空を眺めていると星空がキラキラ輝きだし、ジョバンニは列車の中にいます。

これこそが銀河鉄道の夜の始まりです。

そしてここから続くシーンが非常に美しい。水晶でできた川や空を飛ぶハクチョウなど天の川と岩手の自然を融合させた宮沢賢治オリジナルの描写です。

このシーンに魅了されたファンが作製したこのシーンをイメージした動画もあります。

その動画やあっちゃんの解説も素晴らしいですが、あっちゃんはこう言います。『宮沢賢治が書いた作品が最高に美しい。だから是非買って読んでください。』

 

このあとも銀河鉄道列車の謎や物語終盤の解説、そして宮沢賢治の考え方についての解説がなされます。

それもすごく素晴らしいです。機会があれば是非あっちゃんの解説も見てほしいと思います。

特に、宮沢賢治のことについての解説は宮沢賢治に対する愛すら感じます。

 

それらも素晴らしいので少しだけ紹介します。

実は、銀河鉄道の夜という作品は未発表だったそうです。

そしてあっちゃんはこの作品の結論を『人のために生きる生き方こそ素晴らしい』と結論付けます。ここもテレビではきちんと紹介されていました。

また、『雨ニモマケズ』という作品も発表されたものではなく、宮沢賢治の死後に手記から発見されたものだそうです。その雨ニモマケズという手記の中にも、宮沢賢治の生き方が垣間見えます。

東に病気の子どもあれば

行って看病してやり

西に疲れた母あれば

行ってその稲の束を負い

・・・

そういう人に私はなりたい

 

繰り返しますがこれらの作品が世間に発表されていないんです。いわば自分のための言葉、飾らない宮沢賢治自身の言葉がここにあると思います。

そして、そのことを補強するもう一つの事実として、宮沢賢治は生前は全く作家として評価されていませんでした。だから死後に自身の手記が世に広められるなんて考えられなかったはずです。

だからこそ宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』や『雨ニモマケズ』という作品の言葉が純粋なものとして私たちの心に響くのだと思います。

是非読んでみてください。

 

私自身、この『今だから読みたい名作文学』を見るまで、銀河鉄道の夜の内容を忘れていましたし、きちんと理解はできていませんでした。

だから再度読み返すのが楽しみでしかたないです。

ただ、一つだけはっきり覚えていることは銀河鉄道の夜という作品の言葉や描写が非常に美しかったということです。

その美しさを味わうために再度読もうと思っていた作品でもあります。

 

読んだことのある方も再読を、まだ読んだことが無い人は是非読んでみてください。

そして、『今だから読みたい名作文学』というコーナーも是非見てみてください。

名作の解説だけじゃないです。物語の読み方や面白さを伝えてくれるかけがえのない時間を味わうことが出来ると思います。

 

銀河鉄道の夜 (280円文庫)

銀河鉄道の夜 (280円文庫)

 

 

前回の星の王子様の方も紹介しています。

合わせてご覧ください。

caffeyne.hatenablog.com