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響~小説家になる方法~にとって綿木りさの蹴りたい背中は必然だと思う

響~小説家になる方法~という漫画が2017年の本屋大賞に選ばれた。

 

高校の文芸部を舞台にしている稀有な漫画である。
その中で描かれる主人公の響は小説を書くことに天賦の才を持っている、普通の高校の文芸部員だ。(ちなみに響のキャラクターはかなり偏っており、それがこの漫画の人気の秘訣だと思う。)
その響の世界には芥川賞も直木賞もある。人気小説家もいれば一発屋のような小説家、何年もアルバイトをしながら芥川賞を狙う小説家もいる。
彼らと触れ合いながら、その多くの場合、圧倒しながら響の生活は送られる。そんな小説界と学園生活の二面を描くのが響という漫画だ。

ただ、響という漫画を読んだ方の中には私と同じような疑問を抱いた人も多いと思う。
女子高生が書いた小説など大したことがないのではないか?
人生経験もないのに大人を感動させる小説が書けるわけない。
所詮、漫画の世界の話だ。

そう思うのも無理もないと思う。なぜなら現実世界で女子高生が書く小説が旋風を起こすことなどほとんどないのだから。

でも、私の記憶に引っ掛かる人物がいた。
綿木りさという小説家だ。
そして、この綿木りさという小説家と蹴りたい背中という小説が響の世界に奥行きを持たせる上で必然だと思うのである。

なぜならば綿木りさは現実の世界で、19歳のときに蹴りたい背中で芥川賞を受賞した女流作家だからだ。これは響の世界と同じくらい現実味がないが、しかしながら響の世界と違うのは現実という点である。
蹴りたい背中の冒頭の3ページを読むだけでもその感性に圧倒される。

そして、響の世界は嘘じゃないと気付く。19歳でもこんな文章が書ける人がいるのだからと。

だからこそ響という漫画が好きな人にとって蹴りたい背中は必然だと私は思う。

 

本当に最初の3ページを読むだけでもいいので是非、手に取ってみてほしい。

きっと響の世界に今まで以上に共感できるはずだ。