満月なのでご紹介します。

社会問題(特に動物問題)と読書のブログ

今、6度目の大絶滅が起きているということを知っていますか?種が絶滅してはいけない理由を考える。

考えたことがありますか?

なぜ動物は絶滅してはダメなのか。動物を絶滅から守らないとダメなのか。

 

そのことを考えていきたいと思います。

 

[目次]

 

①一つの種が絶滅すれば生態系に計り知れない影響を及ぼすということ

これよく言われますよね。

ただ、それってその種の数が多い場合の話で、その種の絶対数が少なすぎる場合には適応できない考え方だと思っていました。

でも勉強すればそれに対する反例はありました。

キーストーン種という概念です。

キーストーン種(英: Keystone species)または中枢とは、生態系において比較的少ない生物量でありながらも、生態系へ大きな影響を与える生物を指す生態学用語。(wikipediaより)

身近なキーストーン種でいうとラッコがそうらしいです。

数は多くないけどラッコがウニを食べることで北太平洋沿岸の生態系をキープしていたらしい。

 

でも、これも生物が絶滅してはいけない理由にはならない。

なぜなら影響力が強いということを拠り所にするならば、影響力の弱い種は絶滅しても良いことになってしまうからです。

 

②ヒトに有用だから

進化の系譜をヒトがたどり直すことが出来ないから、一度絶滅してしまえばもう二度とその種には会えなくなる。

もし、その種が既知あるいは未知の病に対する有用物質を持っていたとすれば、その種を失うことはヒトにとって計り知れない損害になる。

 

こういう考え方も良く聞きます。その考え自体は確かにその通りだと思います。

 

 

しかし、この考え方では絶滅から種を守るのは人に有用な場合になってしまいます。

象牙のハンコのために象を絶滅から守る。(象牙のためには殺しながら)

酔い止めになるとされているクマの胆汁のためにクマを絶滅から守る。(胆汁のためには殺しながら)

毛皮のためにキツネを絶滅から守る。(毛皮のためには殺しながら)

 

極端かもしれませんが、私にはこういう考え方に聞こえてしまいます。

 

現在のところ、苦しみを感じないと考えられている植物や微生物などに対しては有用だからという考え方もあってもよいと思います。(この考え方も科学が進めば反例が出てくるかもしれませんが。)

でも、ヒトと起源を同じくする動物たちに対して『有用だから』という考え方で絶滅から守るというのはあまりに寂しいと思います。

 

現状の私の考え

こういうことを考えていると、なぜ生物は絶滅してはダメなのか。なぜ他種を絶滅から守ろうとする人がいるのか。

そう聞かれると私は多分悲しいからとしか答えることが出来ないと思います。

 

でも、それって説明になっているのかどうか。

もう少し理解を進めていく必要があると思いました。

 

2016年11月7日追記。

色んな方にお言葉を頂いて、なんとなく一つの答えが見えてきました。

それは『生物が絶滅してはいけない理由は、その他の種に有用である可能性があるから』です。

ヒトだけに有用と考えるのではなく、種全体に有用な可能性があるという考え方は私にとって受け入れやすいものでした。

 

例えば、絶滅しかかっているある植物がヒトには有用じゃなくても、イヌの病気に有用であれば絶滅させることは損害だと思います。。

例えば、野生の象の糞がその他の動物の病気を治すのであれば、象は絶滅から守るべきです。

こじつけかもしれませんが、私はこうやって自分を納得させることにしました。

そして、全ての種が何かしらの可能性を持つという考えから全ての種は絶滅から守るべきなのではと考えられます。

 

実際に、2015年にノーベル生理学医学賞を受賞した大村智教授がある生物の成分がヒト以外の他の生物に有用であるという研究実績を残されています。

大村 智 博士と米国メルク社に在職していたウィリアム・キャンベル博士は、土壌から分離された微生物から、寄生虫(線虫類など)に有効なエバーメクチンを発見しました。 

エバーメクチンは、1981年から動物薬として販売され、ウシ、ヒツジ、ブタ、イヌなどの獣医学領域で寄生虫駆除に用いられています。 この薬剤の効果は、例えば日本におけるイヌのフィラリア症(犬糸状虫症)の場合、フィラリアの予防と駆除に著効を示し、使用前の時代と現在では犬の寿命が2倍以上に延びました。(北里大学HPより引用)

 

この研究も放線菌が絶滅していたら為し得なかった研究です。

こういうことがあるから種は絶滅してはいけない。

今はこう思うようになりました。もちろん、悲しいから寂しいから種が絶滅してほしくないという優しい気持ちが最も尊いものだと今でも考えています。

『大村智物語』という本がエバーメクチンがどのような背景で発見されたのか、といったことや、大村智教授の人となりが非常に分かりやすく描かれていました。

関心のある方は是非読んでみてください。

 

 

今、地球では6度目の大絶滅を迎えているといわれている。

絶滅は現在進行形で加速度的に進行しているといわれていることを知っていますか?

是非、下に紹介する記事を読んでみてください。

natgeo.nikkeibp.co.jp

この5億年間で、地球上の生命は「5大絶滅」と呼ばれる、5度の大量絶滅を経験した。気候変動、氷河期、火山の噴火。そして、6500万年前にメキシコ湾に落下し恐竜をはじめとする多くの生物を絶滅させた隕石――絶滅のきっかけとなった原因はさまざまだ。そして、今、私たちは6度目の大量絶滅に直面しているかもしれない。(記事より引用)

現在のペースのまま絶滅が進めば今後数百年間で動物種の4分の3が絶滅するとの研究が発表されたとことです。

そして、今回の絶滅はヒトが引き起こしているものだとも。

 

こんなに悲しいことはないと思います。

ヒトが引き起こしているならば、人が解決できることもあります。

 

今を生きるヒトは、もっと絶滅ということに対して真摯に考える必要があるのではないかと思いました。

 

人類が大量絶滅を生き延びたとしても、多くの生物種が失われた世界で生きていきたいですか? あるいは、私たちの子孫が、そうした世界で暮らしてほしいと思いますか?(記事より引用)

 

私はそんな世界は絶対にいやです! 

 

きっとこの記事を読んでくださっているあなたもそんな世界は望んでいないと思います。

だから、そのために小さなことでも少しずつ取り組んでいきませんか?

 

参考文献

途中に紹介したニュースで話をしてくださっている方の著書『6度目の大絶滅』。

書店で見たかぎり非常に分厚い本でしたがいつか必ず読むと決めています。 

 

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