満月なのでご紹介します。

社会問題(特に動物問題)と読書のブログ

太地町で水族館向けの野生イルカのいけすが切られたことについて

たまたまこんなニュースを見ました。

 

www.asahi.com

 

記事の中身から組合の代表の方の言葉を引用します。

 同組合が所属する町漁協によると、いけすのイルカは追い込み漁で捕獲したもので生体展示用。販売先の水族館が引き取るまでの間、泳がせていた。太地いさな組合の柚木栄造組合長は「正当に許可を受けた漁業を営んでいるだけなのに、このようなことをされて非常に腹立たしい」とコメントした。

 

水族館に送られるために野生のイルカが捕獲されていて、(おそらくそれを心苦しく思った)誰かがいけすのロープを切ったということらしい。

 

色々思うところがあるのだが、一つずつ見ていきたいと思います。

 

WAZA(世界動物園水族館協会)はイルカの追い込み漁を禁止している

WAZAの加盟国

Association Members

ACOPAZOA (Colombian Association of Zoos and Aquariums)

AFDPZ (Association Française des Parcs Zoologiques)

AIZA (Iberian Association of Zoos & Aquaria)

ALPZA (Latin American Zoo & Aquarium Association)

AMACZOOA (Mesoamerican & Caribbean Zoos & Aquaria Association)

AZA (Association of Zoos & Aquariums)

AZCARM (Asociacion de Zoologicos, Criaderos y Acuarios de Mexico AC)

BIAZA (British & Irish Association of Zoos & Aquariums)

CAZA (Canada's Accredited Zoos and Aquariums)

DAZA (Danish Zoological Gardens & Aquaria)

DTG (Deutsche Tierpark-Gesellschaft e.V.)

DWV (Deutscher-Wildgehege-Verband e.V.), Tiergarten Sababurg

EARAZA (Eurasian Regional Association of Zoos & Aquariums)

EAZA (European Association of Zoos & Aquaria)

JAZA (Japanese Association of Zoos & Aquariums)

PAAZA (Pan-African Association of Zoos & Aquaria)

SAZA-SDF (Swedish Association of Zoological Parks & Aquaria)

SEAZA (South East Asian Zoo Association)

SZB (Sociedade de Zoológicos e Aquários do Brasil)

UCSZOO (Union of Czech and Slovak Zoos)

UIZA (Italian Union of Zoos & Aquaria)

Verband der Zoologischen Gärten (VdZ)

ZAA (Zoo and Aquarium Association Australasia)

 

加盟国はこれくらいあります。*1JAZAというのが日本動物園水族館協会です。基本的にはWAZAもJAZAも加盟は任意ですが、JAZAはWAZAに加盟しているので、JAZAに加盟している日本の動物園は自動的にWAZAのルールにも従うことになります。

ざっくりとしたイメージはこんな感じです。

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水族館AはJAZAに入っているので、WAZAのルールである『追い込み漁で捕まえられたイルカの飼育の禁止』が適応されます。

水族館BはJAZAに入っていないので、WAZAのルールである『追い込み漁で捕まえられたイルカの飼育の禁止』が適応されません。

 

どういう仕組みなのかはよくわかりませんが、JAZAに入るのも入らないのもある程度それぞれの水族館が決めていいようです。法律でもありませんし。

日本ではイルカショーが人気だったりするので、JAZAらずに太地町から野生のイルカを仕入れる水族館もあるようです。

 

だから今回の追い込み漁で捕獲されたイルカはおそらくJAZAに加盟していない水族館に送られる予定だったのでしょう。

 

この話はここまで。

 

正当ってなんなのか

もう一度、組合の代表の方の言葉を引用します。

 同組合が所属する町漁協によると、いけすのイルカは追い込み漁で捕獲したもので生体展示用。販売先の水族館が引き取るまでの間、泳がせていた。太地いさな組合の柚木栄造組合長は「正当に許可を受けた漁業を営んでいるだけなのに、このようなことをされて非常に腹立たしい」とコメントした。

このコメントを見て思ったのが、正当ってなんなのか?ということです。

僕はイルカの追い込み漁に反対の立場なので、この『正当に許可されている』ということ自体が正当でないと考えています。

 

野生で大海原を満喫していたイルカを捕まえて、水族館のプールの中で飼育するというのはやっぱり暴力的に思えて仕方ないです。

僕は人一倍水族館とか好きですが、イルカたちを見ているとやっぱり後ろぐらい気持ちになります。それはやっぱり彼らの本能を発揮させてあげれない環境というのが火をみるよりも明らかだからです。

 

だからたとえWAZAという団体が実は世界的にはほとんど知られていない団体だったとしても、加盟率が非常に少ない団体だったとしても、追い込み漁の禁止という考え方は正当だと思います。

そして日本の規制の方が正当ではないと思います。そのことを常に頭において、チャンスがあれば発信していく必要があると思います。

(組合の方の意見を批判しているわけではありません)

 

文化よりも命の方が大切

こういう話をすると必ず「長年続いてきた文化だからイルカ漁は大切にしなければいけない」というものが出てきます。

ですが、文化や慣習はそこまで大切でしょうか?日本人は戦国時代には敵将の首をとる首刈り一族の慣習を持ち合わせていましたが、そういうのもやめましたよね?

奴隷の文化も世界から消えつつありますよね?

 

 

文化の重要な側面もわかりますが、文化だから仕方ない。というような思考停止には陥って欲しくないなと思います。

 

イルカショーの未来について

ここまで色々書きましたが、僕はイルカショーが好きです。多分、この記事を読んでくださっている多くの方よりもイルカショーが好きです。

人とイルカが織りなす芸術によって時に涙すら流すことがあります。

 

個人的にはイルカも人とパフォーマンスをすることによって、想像以上のパワーを発揮して楽しんでいる部分もあると思っています。

だからイルカショー自体はなんらかの形で続いていって欲しいと思っています。

一番の理想は水族館のプールの飼育とかじゃなくて、海に行くと野生のパフォーマーのイルカがいて、彼らが僕たちのためにパフォーマンスをしてくれる。僕たちはそのお礼に何かをあげる。ショーが終わるとイルカたちは海に、僕たちは陸に戻る。

 

将来的にそういうあり方であればいいなと思います。

*1:世界の何パーセントくらいの水族館動物園がWAZAに加盟しているのかはわかりませんでした。わかる方教えてください。