今、ファンドレイジングが注目されています!
年間寄付10兆円社会を達成するために頑張っている人たちがいます!!
って言われてもピンとこない人がほとんどじゃないでしょうか。
そんな人のために寄付関連の用語と現在の概況を説明します。個人的にはファンドレイジングって言葉はこれから多く耳にすることが多くなると思っていますし、年間寄付10兆円社会も来ると思っています。
少し固い内容ですが、極力わかりやすく説明していきたいと思います。
ファンドレイジングとは?
ファンドレイジングとはNPO団体などが、その事業の活動資金を集めることを指します。例えば、寄付をお願いするとか、助成金をゲットするとか。それらの資金調達を総称してファンドレイジングと言います。
そのファンドレイジングが注目されています。個人的には注目されているというか、社会貢献のための資金提供(ファンドレイジング)に興味を持つ方が多くなってきた、という方がしっくりきますね。
ちなみに資金調達の専門家のことをファンドレイザーと言います。これまたピンとこない言葉なのですが、アメリカなど社会活動の活発な国では認知度も非常に高いそうです。実際、将来就きたい仕事の中にファンドレイザーが31位に入ったこともあるとか。
日本には日本ファンドレイジング協会という組織があります。日本の寄付の現況をまとめた寄付白書という書籍を発行するなど、ファンドレイジングについてのプロフェッショナル集団です。私のこの記事も日本ファンドレイジング協会が出版している本から得たことばかり書いています。
そして、この組織の代表である鵜尾雅隆さんが目指しているのが、2020年寄付金10兆円社会です。
年間寄付金10兆円社会とは?
今の日本の寄付市場がどの程度かご存知でしょうか?
5兆円?いやいや1兆円?まだまだ100億円?
答えは、1.4兆円です。
内訳は、個人寄付、法人寄付共に約7,000億円(2011,2012年の集計)です。
これを10兆円にしていきたい。それが日本ファンドレイジング協会が目標にしている数値です。
10兆円という数字がどんなものなのかイメージがつかなかったので、『日本 予算 10兆円』で検索してみたところ、日本の2017年の防衛費が約5兆円とのことでした。
その2倍の10兆円という金額が寄付として社会問題に立ち向かっている現場に行き渡る社会が目標です。
ひとえに社会問題といっても対象として、人権問題も教育問題も貧困の問題も動物の問題も様々あります。日本のNPOでも国内だけにとどまらず、世界で活動している方々もたくさんおられます。だから私は10兆円という金額が不要に大きい数字とは思いません。
しかしながら、やはり10兆円という金額は感覚として非常に大きいです。だから、「そんなにいるの?」とか、「防衛費にもっと回した方がいいんじゃないの?」とかそんな風に正直思ってしまう方がおられてもそれは仕方ないことだと思います。
その考え方に相反しないのが遺贈寄付という考え方です。
遺贈寄付とは?
遺贈寄付とは、その方がお亡くなりになった際に資産をその方の親族に分配するのではなく、NPO団体などにお譲りしていただくというものです。
日本には、児孫のために美田を買わず、ということわざがある通り子ども達のために資産を残してはかえって子ども達のためにならないという考え方もあります。
そうお考えの方に資産の一部でも寄付していただくというのが遺贈寄付の考え方です。
そして、日本では毎年37兆円から63兆円が相続されているとの試算結果があります。
そのご家庭によって相続の金額は少額であったり多額であると思います。少額の方に無理やり寄付をしてほしいとは私は思いません。ただ、多額の相続を受けた場合には、そのほとんどが貯金に回ることは容易に想像できます。そのお金は社会活動には用いられず、結果として税金にもなりません。そうであるならば、その一部でも遺贈寄付をして社会貢献に役立てようというのは決して悪い考え方ではないと私は思います。
実際、40歳以上の日本人の20%以上の方が、お亡くなりになる際に資産があるなら一部は寄付しても良いという調査結果もあります。(2013年寄付白書より出展)
もちろん、その方が努力の末に築かれた資産をどのように用いるのかはその人が決定すべきことなのですが、遺贈寄付という考え方も広まっていけばと思います。
どう考えても、特定の人に向かって「遺贈寄付をお願いします」とは言いにくいので。笑
信頼できるNPOに寄付するために
ここまで寄付関連のことを書きましたが、実は私はNPOには参加していないただの社会人です。だから寄付を集めるのではなく寄付を渡す側です。実際、社会人になって会社からお金をもらうようになってからは複数の組織に寄付をさせていただいております。
それで、最近は周りの人に「競馬の競走馬のセカンドライフを支援する寄付を始めたんですよー。」とか言ってみたりしています。
そうすると、返ってくる言葉の多くは「騙されてるよ。」とか「飲み代に消えてるよ。」とかという言葉です。きっつー。
まぁその気持ちはわからないでもないです。多分マスコミのせいですが、NPO団体の得体の知れなさというのはやはり今もつきまとっています。
それが寄付の障壁になっているのも事実だと思います。でも、「だから寄付したいけど寄付しない」とはなって欲しくありません。「あなたの組織は潔白ですか?寄付金以上の働きをしていますか?飲み会は実費で行なっていますか?」などと問い詰めるのも建設的ではありません。
寄付をしたいけど、その組織が信頼に値するかどうかは、やはり私たち寄付する側も調査する必要があります。その一つの指標が、行政とタッグを組んで何かを行なっている、あるいは、行政から支援金を得ているかどうかだと思います。
寄付をしたいけど寄付先を迷われている方は一度この指標を頼りに寄付先を探してみてくだされば非常に嬉しいです。
まとめ
NPOや寄付に関連する用語と寄付市場の現状について説明しました。何かを知るためにはまずはその言葉に触れる必要があると思い書きました。耳慣れない言葉も多くあったかもしれませんが、これらの言葉を知ることで選択肢の幅が増えていけばと思います。
また、私自身も寄付金10兆円時代が来てほしいと思っています。そんな社会は今よりも多くの人が生きやすい社会のはずだからです。なので、ファンドレイジングに関心を持ってほしいと思います。まずは、自分のお金も時間もほとんど減らない1クリック募金からでもいいので、初めてみてはいかがでしょうか?
NPOへの1クリック募金、gooddoというポータルサイトを知っていますか? - animal reading
関連書籍
改訂版 ファンドレイジングが社会を変える (非営利の資金調達を成功させるための原則)
- 作者: 鵜尾雅隆
- 出版社/メーカー: 三一書房
- 発売日: 2014/08/12
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今回、紹介したことのほとんどはこの本に書かれています。より詳細に知りたい方はぜひ読んでみてください。私のようにNPOに所属していない人でも読みやすい内容となっています。