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目指すのは生物多様性の理解と動物福祉の向上。

【感想】ミライの授業/14歳のための冒険の書【瀧本哲史】

ミライの授業という本が素晴らしかったので紹介したい。

ミライの授業

ミライの授業

 

 

この本の著者の瀧本哲史さんと言えば、『僕は君たちに武器を配りたい』という本で有名な方です。

僕は君たちに武器を配りたい

僕は君たちに武器を配りたい

 

『僕は君たちに武器を配りたい』という本は私が会社の同僚に勧められて読んだ数少ない本の一冊です。

社会で戦っている社会人に武器を渡したいという意思の感じられる本で、この本も素晴らしく、いつか紹介したいと思っています。

ただ、今回紹介する『ミライの授業』という本は社会人ではなくて14歳の少年少女に向けて書かれた本になっています。

 

冒頭はこうです。

14歳のきみたちに、知っておいてほしいことがある。

きみたちは、未来に生きている。

そして大人たちは、過去を引きずって生きている。

きみたちは未来の住人であり、大人たちは過去の住人なのだ。

それは比喩ではなく、事実としてきみたちは、未来に生きている。

その理由を、簡単に説明しよう。

未来には、ひとつだけいいところがある。

それは、「未来は、つくることができる」という点だ。

歴史を振り返ってみれば、いつの時代にも「未来を創る人がいた。」さびだらけの古い鉄扉をこじ開け、新しい未知の先頭を歩み、時代を少しだけ前に進める人がいた。

彼らを「安い人」や「ロボット」で代用することはできない。

なぜなら彼らは、他の人では絶対にできないこと、自分にしかできないことに取り組んで、古い世界を一新させてきたからだ。誰かが舗装した道路を進むのではなく、自分で道を切り拓き、未来を切り拓いてきたからだ。 

だからきみたちも、未来をつくる人になろう。

 

話はそれますが、私はこの語り口を見て、司馬遼太郎の21世紀に生きる君たちへという文章を思い出さずには居られませんでした。

実際、晩年の司馬遼太郎が書いた21世紀に生きる君たちへという文章の中には、

私が持っていなくて、君たちだけが持っている大きなものがある。未来というものである。

という、このミライの授業と似たようなことが書かれている。似ているのは内容だけでなく、語りかけ方もそっくりだと感じてしまう。

21世紀に生きる君たちへという本も12歳である小学6年生に向けて書かれた本と言うことは偶然ではないはずだと思う。

話はそれましたが、是非こちらも読んでいただきたい本です。

対訳 21世紀に生きる君たちへ

対訳 21世紀に生きる君たちへ

  • 作者: 司馬 遼太郎,ドナルド・キーン,ロバート・ミンツァー
  • 出版社/メーカー: 朝日出版社
  • 発売日: 1999/10/22
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【感想/二十一世紀に生きる君たちへ】生涯ともにあり続ける本【司馬遼太郎】 - クジラの歌

 

さて、話は戻って、ミライの授業の内容ですが、瀧本哲史さんは未来をつくる法則に5つのことを挙げている。

法則1:未来を変える旅は「?」からはじまる

法則2:冒険には「?」が必要だ。

法則3:一行の「?」が世界を変える。

法則4:すべての冒険には「?」がいる。

法則5:ミライは「?」の向こうにある。

それぞれの「?」にはそれぞれ異なる言葉が入ります。ミライを作るために何が必要なのかは是非皆さま自身の目で確かめてみてください。

 

そして、その「?」の内容はこれまでに道を切り開いてきた偉人の行動になぞらえて紹介されていきます。

その中には、例えば重力を発見したニュートンやハリーポッターの作者のJ.K.ローリングといったような有名な偉人から、伊能忠敬のお供をした高橋至時や鉄の女サッチャーの夫のデニスなど比較的無名の偉人の冒険が記されています。

本書はわずか250ページの紙面の中で20人の偉業を説明されています。ふつうに考えてそれはとても難しいことだと思うのですが、この本は容易な文章にも関わらず、それをいとも簡単に達成しています。しかも、通常目が行きがちな彼らが達成したことじゃなくて、彼らが何かを成し遂げるまでのプロセスを非常に丁寧に紹介してくれます。

 

14歳の頃にこんな本が読めたらどんなに幸せだったかと思います。

だから近くに14歳の子どもがいる大人や、小中学生の子どもが周りにいれば、是非この本をプレゼントしてあげてほしいと思います。

私は、この本を読む子どもたちがこれからに向けて、わくわくした気持ちを抑えきれないのが目に浮かびます。

また、なぜ勉強が必要なのかということもiPhoneのことなんかも持ち出して簡潔に説明してくれています。この本を読めば子どもが勉強が好きになるかと言えば、確信はありませんが、それでも勉強に対して今までと違った考え方を持てるようになっていると思います。

 

そして、この本は大人にも向けられた本だと思います。

なぜなら本書に登場する偉人たちのほとんどが大人になってから偉業を達成しています。

ただ、大多数の大人と違うのは世界を拓く冒険心に溢れていたこと、そして、先に紹介した世界を変える5つの法則を持っていたことです。

でも、逆に考えればそれらさえ持つことができれば、大人だって未来を変えることが出来ると示してくれています。

日本地図を作った伊能忠敬は、50歳から学問の道を志しました。

緒方貞子さんは、女性として初めて、そしてアジア人として初めて、国連の難民高等弁務官に選ばれた女性です。緒方さんが難民高等弁務官として国際問題の最前線で戦うこととなった時、緒方さんは63歳でした。

 

彼らと同じような道を私たちだって歩むことが出来ます。

今の私にはかつて14歳だった私たちが持っていなかった知識と経験があります。それらだってかけがえのないものです。

だから私は、14歳の私に負けているとは思わないし、負けるわけにはいかない。

そのためにも常にフレッシュな気持ちでいて、生きていく中で感じる違和感を大切にしていきたいと思う。

 

ミライの授業

ミライの授業