animal reading

生物多様性の理解と動物福祉の向上を目指して。

【感想】バイバイ、ブラックバード【伊坂幸太郎】

また、伊坂さんの本を読みました。

 

 

バイバイ、ブラックバードという本です。

 

星野一彦という5股をかけていた男が、

<あのバス>で連れて行かれる前に、彼女らに別れを告げていく物語です。

 

自分で書いていてもはや良く分からないのですが、

彼は借金をつくりある人の機嫌を損ねてしまったがために、

<あのバス>で連れて行かれることになっています。

 

そして、<あのバス>で連れて行かれるまでの期間が2週間。

その間の監視役が、身長190cm、体重200kg、何かと何かのハーフ、

アブドーラ・ザ・ブッチャーのような女性、繭美です。

 

そしてその彼女には一般に常識とされているものや善意とされているものはなく、

彼女が常に持ち歩いている辞書には、

『人助け』『愛想』『色気』等が黒く塗りつぶされています。

 

 

伊坂作品の特徴の一つは、

余裕がない状況でも決してユーモアを絶やさない登場人物たちだと思います。

 

その特徴がこの作品でも惜しみなく発揮されており、

見張り役で超暴力的な繭美と見張られ役の一彦のやり取りは悲壮感を感じさせません。

 

 

伊坂作品の特徴ではなく、本書の特徴をさらっと3つ述べたいと思います。

 

①モデルあり

太宰治の『グッドバイ』という未完で絶筆となった作品の続きを書いてみないかというところから始まった作品。

私自身、グッドバイを読んだことはありませんが、(伊坂氏も読んだことが無かったとのこと。)太宰ファンも読んでみても良いもかもしれません。

かくいう私も太宰ファンでして、斜陽は本当に何回も読みました。

少し前に話題になったピースの又吉さんも太宰ファンとして有名ですね。

 

 

②ゆうびん小説

本書は6つのエピソードの集合体である。

1~5がそれぞれの恋人との別れを描く物語。

この1~5のエピソードは伊坂氏が一つのエピソードを書き終え次第、

抽選にて選ばれた読者に、郵便のかたちで届けられたとのこと。

「ある日、小説がポストに届いていたら楽しいに違いない」という編集者の想いからこの形式はスタートしました。

6つ目のエピソードはご自身で是非確認してください。

 

 

③伊坂氏ロングインタビュー

あんまり巻末伊坂幸太郎ロングインタビューってなかったような気がします。

伊坂氏の自身の小説感が色濃く出ているので是非ファンの方は読んでいただきたいと思います。

 

特に、私が好きになった考えを紹介します。

現実の世界を見れば、いくらでも笑えない暗い話はあるんだから。

さわやかなだけの話や綺麗事だけで出来てる小説は書きたくないんですけど、どうせ読むなら読み終わった後にほのぼのしたり、ニコニコできる方がいいじゃないですか。

僕自身、そのためだけに書くし、そのためだけに読んでいるような気がするんです。

この話もよくよく考えれば結構暗い話かもしれないけど、どこかでニヤニヤしたい。

良い小説というのは、必ずニヤニヤ出来ると思いませんか?

文章がおもしろいとか。気の利いたフレーズが出てくるとか。

とにかく笑えないといやなんです。

泣き笑いっていうのは大切だと思うんですよ。

 私の勝手な解釈が入り込む余地のないように、少し長めに文章をピックアップしました。

 

伊坂氏の小説感が色濃く表れているのではないかと思います。

 

私も小説こそ書いてはいませんが、このブログで人間社会の暗い部分を紹介することも多いので、伊坂氏の考えも取り込んで文章を書く必要があると思いました。

 

 

正直、伊坂幸太郎の作品の中でもこの本をどのように位置づけすべきか難しいですが、

上述した3点だけでも読む価値は充分にあると思います。

 

ご興味のある方は是非どうぞ。

 

 

バイバイ、ブラックバード (双葉文庫)
 

 

 

グッド・バイ (新潮文庫)

グッド・バイ (新潮文庫)