満月なのでご紹介します。

社会問題(特に動物問題)と読書のブログ

動物の屋内展示をどう思いますか?

ピエリ守山の屋内動物園が問題になっています。

また、多くの人が優しい気持ちをもって苦しんでいる動物を救いたいと動いてくれています。

 

昨日もそのことで記事を書かせて頂きました。

caffeyne.hatenablog.com

 

しかし、本能を活かしにくい生活を強制させられている動物たちはまだまだたくさんいるのが現状です。

そして、不幸な動物を作ってしまいやすい動物展示施設の条件というものが確かに存在すると思います。

 

私はそのうちの一つが動物の屋内展示だと思います。

今、問題になっているピエリ守山のめっちゃ触れる動物園も商業施設内にある屋内型の動物展示施設です。

 

そして、私が思い浮かぶ屋内型の展示施設がもう一つあります。

それは、大阪にあるニフレルという動物展示施設です。そこには、独りで暮らすアクアという名前のホワイトタイガーがいます。

 

www.youtube.com

 

見てほしいのはこのブロックで囲われた無機質な棲みかです。

そして屋内展示なので、風を感じることも太陽の光も浴びることもありません。そのような環境でいったい何を楽しみに生きていけばよいのでしょうか。

私にはこのような環境で幸せに暮らす動物をイメージすることができません。

(実際、twitterでニフレルと検索するとかわいそうという言葉が予測変換で出てくる時期がありました。)

 

動物園は人を楽しませるという良い面もありますが、動物の一生を檻の中で過ごさせるという長期的な残酷さも持ち合わせています。

何も考えなければめっちゃさわれる動物園やニフレルのような住環境を作ってしまい、動物たちに不幸な暮らしを強いてしまうことがあります。

 

だからこそ我々は動物福祉を追求していく必要があると思います。

そのことを踏まえた上で、私が動物園に求めたいことがあります。

 

私が動物園に求めたいこと

できる限り彼らの本能が発揮されるような環境に身を置くこと。

最低限、風を感じたり太陽光を浴びれるような環境が必須だと思います。

家で飼っている犬だって猫だって、なぜか日向ぼっこをします。彼らにはそれが必要なのでしょう。しかしほとんどの屋内展示ではそれすらできません。そこで得ることが出来るのは人工照明のonとoffの繰り返しだけです。

 

この自然の光や風を受けられないという点で屋内展示はほとんどの場合、私は認めたくありません。例えばたまに散歩してあげるだけでも全然違うと思うのですが、現実的に猛獣を散歩させるなんて無理です。

日光や風を得るという当然の欲求も満たせてあげれないならば、それはその命に対して無責任にもほどがあると思います。

 

孤独を感じさせないようにすること

群れで暮らす動物を単独で飼育することは論外です。

また、人が遊び相手になってあげれないくらい危険な動物を単独で飼育することもやめてほしいです。動物たちに孤独を感じさせてしまうことはやはり辛いです。

ホワイトタイガーは単独で生活するとwikipediaにも記載がありますが、それぞれの動物が生涯にわたって本当に単独でいたいのか、ということに関してはきちんと考える必要があると思います。

もしかしたら動物園という特殊な環境では単独を好まない種もいるかもしれません。少なくとも東武動物公園では複数のホワイトタイガーが一緒に暮らしていました。

 

おわりに

これだけ考えても必然的に狭い飼育スペースになる屋内展示は動物の基本的な欲求さえ満たしにくいのが現状だと思います。

商業施設に併設することで客寄せパンダ的な効果を発揮するのかも知れませんが、倫理的に考えられた動物の飼育を考えてほしいと思います。

そこには本当に重い責任が伴うはずです。

実は、めっちゃさわれる動物園もニフレルも非常に新しい動物園です。日本でも少しずつ高まりつつある動物福祉の向上に明らかに逆行した、これらの施設を私は認めたくありません。

どうか、少しずつでいいので彼らの住環境の改善をお願いしたいと切に願います。

 

『国の偉大さと道徳的発展は、その国における動物の扱い方でわかる』これはマハトマガンジーが残したとされる言葉です。

 

日本はどうでしょうか?

 

僕たち自身の動物に対する思いやりが、幸せな動物を増やす風土を作っていくと思います。

是非、一度考えてみていただければと思います。

 

参考文献

このブログで何度も紹介させていただいている、動物の本能を大切にした動物園の飼育員さんの物語(ノンフィクション)です。

日本にも素晴らしい動物園もあります。

どうか全ての動物園で彼らの本能を満たすような取り組みがなされることを願います。

動物翻訳家 心の声をキャッチする、飼育員のリアルストーリー (集英社文庫)

動物翻訳家 心の声をキャッチする、飼育員のリアルストーリー (集英社文庫)