ピエリ守山のライオンを救え。SNSによるズーチェックにこそ動物福祉の未来を感じる。
今、twitter上で話題になっている動物園とそこで飼育されているかわいそうなライオンを知っていますか?
3日前ピエリ守山という施設のめっちゃ触れる動物園という屋内動物園で飼育されているライオンがかわいそう文字がtwitterを駆け巡りました。
そこには自傷行為を行ったとされる額に血が付いたライオンの画像も掲載されていました。(添付したニュースサイトで見ることが出来ます。)
そのツイートは現時点で1.5万以上のリツイートがされており、そしてネットニュースに掲載されるまでに至りました。
このことに関連する多くの人のコメントを読んでいると多くの優しい人がこの動物園の運営の異常性に怒り、動物たちを助けたいと叫んでいます。
私はこういった人たちの心の動きに感動すら覚えました。
なぜなら、日本は世界的に見て動物福祉(この言葉の意味は後ほど説明します。)の後進国とされているからです。事実そうだと思います。
過去にはヨーロッパでどうしても飼育できなくなったキリンを日本で引き取ると声を挙げたときに、動物への配慮がされない日本の動物園には渡せないとして、結局殺処分にしてしまった事例もあるほどです。日本の動物に対する態度はそれほどまでに劣悪であるとされていました。
そのようなことを考えると、日本人の動物に対する態度も非常に良い方向に向かってきたのではないかとこの一連の流れから感じました。
そして、今回の事件(あえて事件と呼ばせて頂きます)に関心のある全ての方に知っておいてほしいことがあります。
それは、動物の幸福な生活を追求することを『動物福祉』と呼ぶことです。
また、動物園動物の動物福祉がどのようなレベルにあるのかということをチェックする機能を『ズーチェック』と呼ぶことも知っていてください。
動物愛護という言葉は知っていても動物福祉という言葉はなかなか聞きなれないと思います。ですが、現在非常に多くの人が多くの場面で動物福祉の向上を試みています。
今回のツイートもまさに動物福祉の向上を求めたツイートであり、そして多くの人がそのことに賛同したという点で非常に大きな意味があるのではないかと思います。
そしてズーチェックについてですが、日本のズーチェックは基本的には行政が行うことになっています。しかしながら、一公務員ができるズーチェックには限界があります。
普段、劣悪な飼育環境にしてしまっている運営も行政のズーチェックが行われる日くらいは綺麗な環境を偽装することは充分可能です。
だから私は今回のことを受けて、日本におけるズーチェックは不特定多数の人間がSNSを使用することで機能していくのだと感じました。そしてそのことが動物福祉そのものを向上させ、日本人の動物愛護の情操を育てていくのだと感じました。
サラリーマンをしながらでも学生でも一つのツイートが動物たちの生活を大幅に変える可能性があります。拡散することだって充分に動物たちの力になります。こんなに素晴らしいことはないと思いませんか?
また、今回の事件を踏まえて、行政や動物運営サイドがどのような対応をするのかということは今後の日本の動物たちの命運を握るといっても大げさではないと思います。
なぜならば、2017年は動物愛護法の改正の年だからです。
動物たちのためにどうかこの一年間だけでもいいので動物愛護法に関心を持っていてほしいと思います。
動物たちを今よりももっともっと快適で幸せな生活が出来るように、産まれてきてよかったと思ってもらえるように、私たちにできることはたくさんあるはずです。
今回事件は非常に不幸なことであり、リオン君の生活が改善されることを願ってやみません。
ただそれにとどまらず、これを機に多くの人が動物福祉の改善に気持ちを向けてくれればと思います。
参考文献
もし動物たちの置かれている状況に興味のある方がおられたら伊勢田さんの『マンガで学ぶ動物倫理』という本がオススメです。伊勢田さんはれっきとした学者であり、その知識を活かして倫理的に動物の置かれている状況を説明してくれます。
こちらは、動物福祉を考慮した飼育環境を作ろうと闘う飼育員さん達の物語です。素敵な本過ぎて、このブログでも何回も紹介させて頂いている本。
日本にも素晴らしい動物園はたくさんあるので、そのことも是非知っていてほしいです。この本では4つの動物園が紹介されています。お近くにあれば是非足を運んでみてください。
本の感想も過去に書いています。
実際に、動物翻訳家を読んで紹介されている動物園にも行ってきました。
続編の記事も書きました。
動愛法改正のためにできること
探せばネット署名等もあるのでそれらも参照してみてください。
ただ、それ以上にまずは政治に関心を持ってみてください。動物愛護なんて多くの政治家にとって取るに足らない事象かもしれませんが、心ある方は真摯に動愛法の改正に向き合ってくれています。
そのような人たちを応援することもよりよい動愛法への立派な取り組みだと思います。
また、忘れてはいけないのが今回のようなSNSでの拡散です。
どんなものでもいいので、まずは自分たちのできる範囲のことから取り組んでいきましょう。