満月なのでご紹介します。

社会問題(特に動物問題)と読書のブログ

今、6度目の大絶滅が起きているということを知っていますか?種が絶滅してはいけない理由を考える。

考えたことがありますか?

なぜ動物は絶滅してはダメなのか。動物を絶滅から守らないとダメなのか。

 

そのことを考えていきたいと思います。

 

[目次]

 

①一つの種が絶滅すれば生態系に計り知れない影響を及ぼすということ

これよく言われますよね。

ただ、それってその種の数が多い場合の話で、その種の絶対数が少なすぎる場合には適応できない考え方だと思っていました。

でも勉強すればそれに対する反例はありました。

キーストーン種という概念です。

キーストーン種(英: Keystone species)または中枢とは、生態系において比較的少ない生物量でありながらも、生態系へ大きな影響を与える生物を指す生態学用語。(wikipediaより)

身近なキーストーン種でいうとラッコがそうらしいです。

数は多くないけどラッコがウニを食べることで北太平洋沿岸の生態系をキープしていたらしい。

 

でも、これも生物が絶滅してはいけない理由にはならない。

なぜなら影響力が強いということを拠り所にするならば、影響力の弱い種は絶滅しても良いことになってしまうからです。

 

②ヒトに有用だから

進化の系譜をヒトがたどり直すことが出来ないから、一度絶滅してしまえばもう二度とその種には会えなくなる。

もし、その種が既知あるいは未知の病に対する有用物質を持っていたとすれば、その種を失うことはヒトにとって計り知れない損害になる。

 

こういう考え方も良く聞きます。その考え自体は確かにその通りだと思います。

 

 

しかし、この考え方では絶滅から種を守るのは人に有用な場合になってしまいます。

象牙のハンコのために象を絶滅から守る。(象牙のためには殺しながら)

酔い止めになるとされているクマの胆汁のためにクマを絶滅から守る。(胆汁のためには殺しながら)

毛皮のためにキツネを絶滅から守る。(毛皮のためには殺しながら)

 

極端かもしれませんが、私にはこういう考え方に聞こえてしまいます。

 

現在のところ、苦しみを感じないと考えられている植物や微生物などに対しては有用だからという考え方もあってもよいと思います。(この考え方も科学が進めば反例が出てくるかもしれませんが。)

でも、ヒトと起源を同じくする動物たちに対して『有用だから』という考え方で絶滅から守るというのはあまりに寂しいと思います。

 

現状の私の考え

こういうことを考えていると、なぜ生物は絶滅してはダメなのか。なぜ他種を絶滅から守ろうとする人がいるのか。

そう聞かれると私は多分悲しいからとしか答えることが出来ないと思います。

 

でも、それって説明になっているのかどうか。

もう少し理解を進めていく必要があると思いました。

 

2016年11月7日追記。

色んな方にお言葉を頂いて、なんとなく一つの答えが見えてきました。

それは『生物が絶滅してはいけない理由は、その他の種に有用である可能性があるから』です。

ヒトだけに有用と考えるのではなく、種全体に有用な可能性があるという考え方は私にとって受け入れやすいものでした。

 

例えば、絶滅しかかっているある植物がヒトには有用じゃなくても、イヌの病気に有用であれば絶滅させることは損害だと思います。。

例えば、野生の象の糞がその他の動物の病気を治すのであれば、象は絶滅から守るべきです。

こじつけかもしれませんが、私はこうやって自分を納得させることにしました。

そして、全ての種が何かしらの可能性を持つという考えから全ての種は絶滅から守るべきなのではと考えられます。

 

実際に、2015年にノーベル生理学医学賞を受賞した大村智教授がある生物の成分がヒト以外の他の生物に有用であるという研究実績を残されています。

大村 智 博士と米国メルク社に在職していたウィリアム・キャンベル博士は、土壌から分離された微生物から、寄生虫(線虫類など)に有効なエバーメクチンを発見しました。 

エバーメクチンは、1981年から動物薬として販売され、ウシ、ヒツジ、ブタ、イヌなどの獣医学領域で寄生虫駆除に用いられています。 この薬剤の効果は、例えば日本におけるイヌのフィラリア症(犬糸状虫症)の場合、フィラリアの予防と駆除に著効を示し、使用前の時代と現在では犬の寿命が2倍以上に延びました。(北里大学HPより引用)

 

この研究も放線菌が絶滅していたら為し得なかった研究です。

こういうことがあるから種は絶滅してはいけない。

今はこう思うようになりました。もちろん、悲しいから寂しいから種が絶滅してほしくないという優しい気持ちが最も尊いものだと今でも考えています。

『大村智物語』という本がエバーメクチンがどのような背景で発見されたのか、といったことや、大村智教授の人となりが非常に分かりやすく描かれていました。

関心のある方は是非読んでみてください。

 

 

今、地球では6度目の大絶滅を迎えているといわれている。

絶滅は現在進行形で加速度的に進行しているといわれていることを知っていますか?

是非、下に紹介する記事を読んでみてください。

natgeo.nikkeibp.co.jp

この5億年間で、地球上の生命は「5大絶滅」と呼ばれる、5度の大量絶滅を経験した。気候変動、氷河期、火山の噴火。そして、6500万年前にメキシコ湾に落下し恐竜をはじめとする多くの生物を絶滅させた隕石――絶滅のきっかけとなった原因はさまざまだ。そして、今、私たちは6度目の大量絶滅に直面しているかもしれない。(記事より引用)

現在のペースのまま絶滅が進めば今後数百年間で動物種の4分の3が絶滅するとの研究が発表されたとことです。

そして、今回の絶滅はヒトが引き起こしているものだとも。

 

こんなに悲しいことはないと思います。

ヒトが引き起こしているならば、人が解決できることもあります。

 

今を生きるヒトは、もっと絶滅ということに対して真摯に考える必要があるのではないかと思いました。

 

人類が大量絶滅を生き延びたとしても、多くの生物種が失われた世界で生きていきたいですか? あるいは、私たちの子孫が、そうした世界で暮らしてほしいと思いますか?(記事より引用)

 

私はそんな世界は絶対にいやです! 

 

きっとこの記事を読んでくださっているあなたもそんな世界は望んでいないと思います。

だから、そのために小さなことでも少しずつ取り組んでいきませんか?

 

参考文献

途中に紹介したニュースで話をしてくださっている方の著書『6度目の大絶滅』。

書店で見たかぎり非常に分厚い本でしたがいつか必ず読むと決めています。 

 

関連記事

【絶滅危惧種×ポケモン】現実世界で絶滅の危機にあるポケモンのモデル動物を6種紹介します。 - クジラの歌

 

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【感想/異端のススメ】同質社会においては意識改革が一つのキーワードになると思う。【小池百合子、林修】

個人的にというか、東京都の動物殺処分ゼロを目指している小池百合子さんに興味があって、ものすごく期待もしています。

だから、築地市場の移転とかどうでもいいので一刻も早く小池百合子さんが理想とする東京都の姿を描いもらいたいと思います。

 

とはいえ、小池百合子さんがどんな人か知りません。

知らない人を応援するということは難しいし、正しく応援できるのかわからなかったので本を読みました。

なんか面白そうだったので、『今でしょ!』の林先生との対談【異端のススメ】を読みました。

 

異端のススメ

東大出身の塾講師の林修。

日本の大学を中退後、1970年代にカイロ大学を卒業した小池百合子。

 

異端たる二人が社会問題を論じ、夢を語り、自身の過去をさらけ出します。

 

本書は2013年に出版されたものであり、小池百合子さんが今掲げる動物殺処分ゼロというところに直接結びつくようなことは発見できませんでしたが、なんとなく見えた部分もあったので紹介したいと思います。

 

それでは、なぜ異端がすすめられているのか。まずその大前提の部分を紹介します。

 

世界の中でも高度のホモジニアス、同質社会の国、日本

ホモジニアス、同質社会。

一言で言うと、他の人と同じであることで心の安寧を見出すことです。

同質性が戦後日本の高度成長を牽引してきた。「あなた、お隣はテレビをお買いになったのよ。うちは?」「車、ピアノ・・・」という具合である。バブル現象もしかりである。皆と同じことをしていれば安心、という集団心理的現象である。

日本人ってそうみたいです。出る杭は打たれるとか言いますしね。レールを外れるという若いブロガーさんに辛辣な反応が多かったのも一つの例になりえるのかなと思います。

 

でも、その同質性だけで良かった時代は終わったとのことです。

『人と違う一歩を踏み出す勇気が日本を動かすかもしれない。』小池百合子

『この厳しい時代に合って、自分と向き合い、進むべき道を考えるにあたって、自分らしさを活かしやすいブルーオーシャンを探すべきではないか。』林修

 

すなわち異端を勧める理由は、同質性からの脱却が必要だと考えているからだと思います。

 

意識改革

そして、小池百合子さんが考える同質性からの脱却において重要なキーサードは『意識改革』なのだと思います。

 

小池百合子さんがこれまで行ったことの一つが「クールビズ」です。

真夏にギラギラと照り返しが来る道をネクタイとジャケットを着こんで汗を流しながら営業活動をしている人たちを気の毒に思ってきたとのことであり、その意識を変えたいとの思いからクールビズを実施したとのことでした。

次に狙っているのは働き方の意識改革で、残業ゼロを狙っているとのことです。

これらは、全て意識改革で行う。制度や予算の問題ではないと言い切っています。

 

これらから考えると、同質社会において何かを変えるために必要なことの一つが『意識改革』なのかもしれません。

 

殺処分ゼロに向けて

小池百合子さんは動物殺処分ゼロにむけてまず教育から行っていきたいと述べています。

教育とはまさに意識改革でしょう。

ただ、教育における意識改革は時間がかかります。

また、個人的には今の負の遺産を子どもたちに生産させるのもちょっと違うかなと思っています。今すぐにでも解決すべきだと。

でも、子どもを教育して親の意識も変わるならば大いに意味があるとも思います。

 

これからどんな意識改革が行われていくのか、注目していきたいと思います。

 

参考

紹介した本

異端のススメ

異端のススメ

 

 

大ベストセラーの嫌われる勇気も同質社会を考える上で役に立つと思います。

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

 

 

前に書いた記事。

caffeyne.hatenablog.com

子どもにおすすめの生き物図鑑No.1はココリコ田中が書いた生き物が見ている世界!!!

動物が大好きで有名なお笑い芸人ココリコ田中と日本のインディージョーンズと呼ばれている長沼毅教授(広島大学)がコラボした図鑑がめちゃくちゃ斬新でとてつもなくおもしろいです!

 

その内容とは!?

 

生き物たちが見ているが見ているだろう世界を、科学の知見を駆使して描写したおそらく前例のない図鑑です。

 

コンセプトがめちゃくちゃおもしろくないですか?

なぜそのコンセプトに至ったのかというこのについてココリコ田中が前書きで語っています。その内容が本当に素晴らしいのでほとんど引用させて頂きます。

突然ですが、僕は生き物が大好きです。好きで好きでたまりません。その容姿、生態、能力、それぞれに魅力があり、魅力が無い生き物なんていないと思っています。

そんな生き物が大好きな自分が、以前からずっと気になっていたのが、「生き物たちにはこの世界はどのように見えているのか?」ということでした。

中略

イヌの目を調べていき、少しずつ色んなことがわかっていくと、イヌだけにとどまらず、そのほかの生き物の見ている世界もしりたくなり、それをまとめた本をつくれないだろうか?と思うようになりました。

中略

そしてそこで(勉強して)感じたことは「どう見えているかは断言できない」ということです。あたりまえのことですが、イヌにどのような世界が見えているのかインタビューすることはできません。もちろんネコにもキャットフードがどのように見えているのかはインタビューできないのです。なので、今回は、ヒトの目のデータを参考に、それぞれの生き物の目の構造や視細胞、視野などを調べ、「ヒトと比べてこう見えているのではないか?」を僕なりに絵にしてみました。

とはいえ、やはり誰も見たことが無い世界なので、もしかしたら全然違っているのかもしれません。先々、もっといろんな研究がされて、「イヌの見えている世界、全然ちがうやん!」とか「トンボの見てる世界もこんなんじゃない!」となるかもしれません。しかし今現在、わかっている範囲の中での生き物たちが見ている世界をどうしても形にしたく、このような本を出すことにしました。

まだ誰も見たことが無い、‘‘こう見ているんじゃないかな?という世界’’をのぞいて、おどろいたり、新たな発見をしてその生き物に興味をもっていただけたらうれしいです。

田中直樹

(生き物が見ている世界より引用)

 

僕の想いも田中直樹さんとほとんど同じで、色んな生き物に興味を持ってほしいと思っています。

そして、この本は間違いなく動物に興味を持つための一助になると確信できます。

図鑑をヒトよりたくさん買ってきたわたしが言うのだから間違いないと思います。

 

そして肝心の内容はこんな感じ。

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これは大きいイラストがゴールデンハムスターが見ているだろうという世界のイラストで、右下のイラストが我々ヒトが見ている世界のイラストです。

 

こんなに違うんです!

ハムスターの世界は白黒なんです!

 

もちろん、ハムスター以外にもライオン、シマウマ、モグラ、イヌ、ネコ、イルカ、クジラ、ワシ、クジャク、チョウ、トンボ、イグアナ等30種以上の生き物の見えているだろう世界が収録されています。

 

めちゃくちゃ面白い!

 

モグラは全然目が見えていないし、イグアナは右目で見る世界と左目で見る世界が繋がっていないし。

クジラが世界をどんなふうに見ているかって想像したことがありましたか?

想像したことが無い人はぜひ想像してみてください。そして本書を手に取ってみてください。きっと新しい発見があるはずです。

 

そしてその想像を是非お子さんとも共有してみてほしいんです。絶対に面白いので!!!

 

そして他の生き物を知ることでヒト自身のこと見つめ直すことが出来ると思います。ヒトは目に頼って生きていると言われますが、こんなにヒトの目ってすごかったんだって気付かされるはずです!

間違いなく芸人としての仕事の枠組みを超えた素晴らしい生き物図鑑です。

 

子どもの頃にこの本が家にあればきっと感受性豊かな子どもに育つと思います。他者が見ている世界を想像するということの訓練になるはずです。本気でそう信じられるような内容になっています。もちろん大人も楽しめる図鑑なので是非手に取って頂ければと思います!

まちがいなく今、自信を持ってお勧めできる図鑑No.1です!

ココリコ田中×長沼毅presents 図解 生き物が見ている世界

ココリコ田中×長沼毅presents 図解 生き物が見ている世界

 

 

私は種の起源や進化論が解明された後の世界を見てみたい。

久しぶりにブログ書きます。

 

タイトル通りです。

 

私は生命の神秘に興味があってその中でも種の起源に非常に興味があります。

 

 もちろんチャールズ・ダーウィンの種の起源も読みました。

種の起源〈上〉 (光文社古典新訳文庫)

種の起源〈上〉 (光文社古典新訳文庫)

 

 

で、学生の頃にお酒の席で教授に聞いたことがあります。

私『先生。進化論ってどうなんですか?興味ありますか?』

 

教授『あれは究極の趣味だ。』

 

私『・・・。究極の趣味ってなんだ?』

 

うちの教授は結構凄い人で、普段そんなあほみたいな言い回しをしたりはしません。

 

曰く、進化論を解明しても金にならない。

曰く、そんなものに人や国や企業は金をださない。

曰く、だからそんなものは趣味でやるべきだと。

曰く、しかし趣味にしてはハイレベルすぎると。

 

だから、究極の趣味らしいです。

なんか、夢がねえなぁって感じですが世のため人のため≒人が支援すると考えると、

確かにニーズは薄いのかなと思ってしまいます。

 

でも、見てみたくないですか?

この地球で初めて誕生した生命がどんなものだったのか。

知りたくないですか?

なぜキリンの首が長いのか。

なぜパンダの目の周りは黒いのか。

なぜシャチの目の周りは白いのか。

 

なぜそんな進化を選択したのか。

ずばり私が知りたいのはこれです。

 

なぜこのような生物多様性が生まれたのか。

ダーウィンが言うように自然選択がそうさせたのか。

あるいは後天的遺伝がそうさせたのか。

 

いずれにせよ私たちは最初の生命から脈々と受け継がれてきたこの世界の生物多様性とその生命にもっと敬意を払うべきなんです。

今、多くの人にとって人以外の生命は、取るに足らないものと考えられていると思います。そう感じます。

この考えが改められるのはきっと法改正とかじゃないんです。単純な科学の発見でもないような気がします。

 

そういうことじゃなくて、もっとこの世の価値観がひっくりかえるような大発見が私たちには必要なんじゃないかと思います。

私の思うそのパラダイムシフトが『種の起源』や『進化論』の解明だと思います。

 

そしてきっとそれらが解明された後のその世界は今よりも優しいものだと思います。

それが見たい!

あー、だれか究極の趣味を完成させてくれないだろうか。

 

こんな他力本願な願いが夢と言えるのかどうかわかりませんが、わがままな私の願いです。

 

以下の本は時系列と共にダーウィンだけじゃない様々な進化論の変遷をわかりやすく教えてくれるのでオススメです。

種の起源よりもよっぽど読みやすいので、進化論に興味をもたれた方は是非こちらをお読みください。

眠れなくなる進化論の話 ?ダーウィン、ドーキンズから現代進化学まで全部みせます? (知りたい!サイエンス)

眠れなくなる進化論の話 ?ダーウィン、ドーキンズから現代進化学まで全部みせます? (知りたい!サイエンス)

  • 作者: ハインツ・ホライス,矢沢潔,三中信宏,河田雅圭,長野敬,矢沢サイエンスオフィス
  • 出版社/メーカー: 技術評論社
  • 発売日: 2011/12/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • 購入: 3人 クリック: 63回
  • この商品を含むブログ (1件) を見る
 

 

過去に書いた記事も紹介します。

生物多様性や進化論に関する本の紹介です。

caffeyne.hatenablog.com

 

 

【感想】保健所犬の飼い主になる前に知っておきたいこと/片野ゆか

片野ゆかさんは日本の不幸な動物たちを救うために活動しておられるライターです。

 

これまでにも熊本県の動物殺処分ゼロプロジェクトに密着した本や、動物福祉の向上に目を向けつつある動物園のノンフィクションを執筆されてきました。

ゼロ! 熊本市動物愛護センター10年の闘い (集英社文庫)

ゼロ! 熊本市動物愛護センター10年の闘い (集英社文庫)

 

 

動物翻訳家 心の声をキャッチする、飼育員のリアルストーリー

動物翻訳家 心の声をキャッチする、飼育員のリアルストーリー

 

 今回は、その片野ゆかさんの保健所犬の飼い主になる前に知っておきたいことという本を紹介します。

時系列的にいえば、先に紹介した2冊の本よりも先に出版された本です。

ちなみにご自身も保健所から犬を引き取って共に暮らしています。

 

片野ゆかさんの本について

動物福祉とか動物愛護とかそういうことに触れるとどうしても愚かな人間の行動に目が向いてしまいます。

でも、片野ゆかさんは恐らくそういったことを理解したうえで、他者を貶めるようなことは絶対に書きません。

どこまでもポジティブに、建設的に、具体的に、動物福祉を向上させるために何を行うべきかということを示してくれます。

だから、動物福祉に興味を持ち始めた人が最初に読む本としてはふさわしいのかもしれません。

 

保健所犬の飼い主になる前に知っておきたいこと

この本は内容的にはいわゆるハウツー本になるのかもしれません。

以下に内容を列挙します。

 

・どこに行けば保健所犬に会うことができるのか

・犬を飼うにあたってどれくらいの費用が必要なのか

・子犬ではない成犬の保健所犬を暮らすメリットとは

・保健所犬の飼い主になるにあたってなぜ厳しい審査を動物愛護団体から受けないとならないのか

・二度と自分の飼い犬を保健所犬に戻さない方法

・ペットの災害時対策

・保健所犬の飼い主になって思うこと

 

こうやって書くと無機質で堅い本のように感じるかもしれませんが、そんなことはありません。

新たな犬生を歩きだした保健所犬の写真がたくさん掲載されています。

また、片野ゆかさんの精力的な取材のなかで見られた人と人、人と犬、犬と犬の交流の姿が本書のなかにもたくさんちりばめられています。

 

その一つが白内障が信仰してほとんど目が見えなくなった老齢犬を引き取った人のエピソード。

「残り少ない犬生を温かい場所で過ごさせてあげたい」という思いから引き取ったとのことでした。

こんなに優しい人がいるんだと感銘を受けたエピソードです。

 

これらがこの本を温かいものにしています。

 

まとめ

本書のタイトルは保健所犬の飼い主になる前に知っておきたいこととあります。

ですが、私は可能であればこれから動物を飼いたいと思っている多くの人にこの本を読んでみてほしいと思います。

今、犬を飼っている人にも読んでみてほしい。

 

なぜならこの本は単純なハウツー本ではないから。

この本が教えてくれることは動物の愛し方です。

保健所犬の飼い主になる前に知っておきたいこと

保健所犬の飼い主になる前に知っておきたいこと

 

 

参考

過去に片野ゆかさんの本のレビューをしています。

興味のある方は是非こちらも参照してみてください。

caffeyne.hatenablog.com

 

caffeyne.hatenablog.com

 

 

【祝日本アカデミー賞】RADWIMPSファンに捧ぐ、君の名は。

2017年1月更新

 

君の名は。という映画をRADWIMPSの2時間のMV(ミュージックビデオ)と評する人がいますがそれは結構的を得ていると思います。

私がそう考える理由はあります。

一つは詳しくは後述しますが、新海誠監督が何かのインタビューで答えていましたが、映画のそれぞれの最も盛り上がるシーンでRADの声入りの4曲を持ってきたという事実。

もう一つは、その盛り上がるシーンというのが映画の起承転結にマッチしているからだと思います。

 

なので、今回は10年来のRADWIMPSファンの私が音楽の観点から君の名は。という映画を紐解いていきたいと思います。

 

RADWIMPSと私

RADWIMPSというバンドがかつて何よりも好きでした。

 

当時聴いていたラジオから『愛し』という曲が流れてきて、圧倒されてすぐにCDを買いに行った記憶があります。

いつも学校から帰ったらその当時はあったRADWIMPSの公式HPのファン掲示板を見たりとか、あのころのエネルギーってすごかったなって思います。

当時は掲示板というものがどんなアーティストのHPにのあったんですよ。

ただ、人気が出てくるにつれて掲示板も荒れ始めて、その掲示板は掲示板の形を保てなくなってしまい、ファン同士のレスポンスが出来なくなって、応援メッセージを書き連ねるだけの場所になっちゃったりしました。

それまでは、すごくいい場所だったんですよ。洋次郎のお父さんが『洋次郎、頑張れよ』とかって書きこんでいたり。

 

こういうことを書くと年をとったなって自分で驚いていますが、きっと私がファンを始めたのは10年前くらいからです。20歳より若かったです。始めてRADで買ったCDはRADWIMPS2~発展途上~で、人生で初めて参戦したライブは心斎橋で200人くらいでやってたRADWIMPS3のツアーで。そのときの洋次郎はテンションあがって最前列の男の人にキスしてたなーとか。笑

そして間違いなく人生で一番聴いた曲は『ふたりごと』で。大げさじゃなく何百回と聴きました。

 

未だに私の人生の5%くらいはRADが占めているんじゃないかと思います。

死ぬ時でも1%くらいはRADが占めているかもしれません。 

 

でも、RADを死ぬほど聴いていたのはRADWIMPS4までで、アルトコロニーの定理はそこそこ聴いて、絶体絶命はちょっと聴いて、×と○と罪とはほとんど聴かなかったです。

 

どんどん音楽的な技術が上手くなっていくのは感じたんだけど、自分が好きなRADからは離れて行ってしまったんだと思います。多才で色んな曲を作れるRADですが、私はやっぱりRADの歌うラブソングが好きなんです。そこから離れて行ってしまうRADから私も徐々に離れて行ってしまいました。

 

 

そんなこんなで10年経って、君の名は。が公開されました。

 

公開前からRADの楽曲が映画の中で複数使われているということは知っていました。新曲も含めて。RADがどんな歌を歌うのかわからなかったですが、RADWIMPSが音楽を担当する映画なら見なきゃだめだと思いました。だからこそ新曲は絶対映画館で聴こうと思ってそれまで『前前前世』は聴くのを我慢していました。どんな風に楽曲が使われているのかも知らなくて、昔の曲をうまい具合に映画に載せていることもするんだと思っていました。秒速5センチメートルにおける山崎まさよしの『One more time, one more chance』のように。

 

でも、それは違って、全部書き下ろしの新曲でした。

それどころか挿入されているインストを含む全27曲の全ての音楽にRADが立ち会っているとのことでした。

いやー、震えた。久しぶりの洋次郎の声にも。かつてあほみたいに聴いたクワのギターリフも。武田の心地いいベースも。

だって、映画の登場人物がしゃべっているのに、それと同じ声量で洋次郎の声が聞こえてくるし、しかも4曲も劇中で流れるし、それもめっちゃいいシーンだし。

なにより、僕が好きだった頃のRADの感じがしたし。

 

まさに、RADWIMPSファンに捧ぐ映画でした。

 

新海誠とRAD

本作をつくった新海誠監督もRADファンだそうです。

実は私2回映画を見に行きました。1回目はまっさらな状態で。2回目はその前に小説も読んだし雑誌のインタビューも読んだし、HPに公開されている様々なインタビューを見てから映画に行きました。

2回目を見るときの気持ちは、もはや観客というよりも制作者寄りの気分でした。

 

で、どっかのインタビューの中で知ったんですが、新海誠監督がRADで一番好きな曲が『ふたりごと』という事実で、『ふたりごと』のような映画が撮りたかったってことです。

俺が木星人で君が火星人だろうと

君が言い張っても

俺は地球人だよ いや、でも仮に木星人でも

たかが隣の星だろ

一生で一度のワープをここで使うよ

 (ふたりごとより) 

映画を見た人にはわかると思うんですが、今作はまさにふたりごとのような映画になっていると思います。

距離なんてまったくたいしたことが無いと言い切れるようなまっすぐな思いがこの映画にはあります。

それは作中で瀧と三葉が宮水で会うシーンで、

滝が「ホント、大変だったよ。お前すげえ遠くにいるから。」 

と笑顔でいう場面でも感じられると思います。

 

また他のインタビューの中ではRADの楽曲に刺激されて作中の描写を変えていったとも言っていました。

例えば、瀧と三葉が互いの体に罵詈雑言を書くこととかは当初想定されていなかったそうです。

 

でも、先にも書きましたが数あるインタビューの中で一番うれしかったのは映画のそれぞれの最も盛り上がる場面にRADの声入りの4曲を持ってきたという事実です。

洋次郎のブレスすら映画にとって必須なものに感じたし、映画のために間奏も細かい時間も作りこまれていると感じました。ただそれと同じくらい映画もまた楽曲のためにあろうとしていたことに感動すら覚えました。

 

これからそれらの楽曲と場面の紹介をしていきたいと思います。

 

作中曲と君の名は。

起:夢灯篭

映画が始まってほんの数分のうちに流れ出すのが夢灯篭という曲です。

美しい映像と共に聞こえてくるモノローグのセリフは以下の通り。

朝、目が覚めるとなぜか泣いている。そういうことが時々ある。見ていたはずの夢はいつも思い出せない。ただ、ずっと何かを・・・誰かを探している。

そういう気持ちにとりつかれたのは多分あの日から。あの日、星が降った日。それはまるで、まるで、夢のようにただひたすらに美しい眺めだった。

この瀧と三葉によるセリフとほぼ同時に洋次郎の息遣いが聴こえ、夢灯篭が始まります。

なにかが始まるような予感を多分に含ませた曲調、そして柔らかさ。

この曲を聴いただけで鳥肌が立ちました。

なにか大きな映画が始まるという大きな期待感を感じます。

 

一番好きな部分はここ。

5次元にからかわれて それでも君を見るよ

また「はじめまして」の合図を決めよう

君の名を 今追いかけるよ

(夢灯篭より) 

5次元の本当の意味はわからないですが、作中のことを考えると3次元空間に時間の要素と位置的飛躍の要素を組み込んだものと解釈しました。

この映画の本質みたいなものを5次元にからかわれると言い換える洋次郎の才能ににやりとさせられます。

 

承:前前前世

流れるのは、二人の体が入れ替わっているのが夢ではなく現実に起こっていると知ったタイミング。

瀧「俺は夢の中でこの女と---」

三葉「私は夢の中であの男の子と---」

二人「入れ替わってる!?」

 

このセリフの直後に皆さんも聴いたことがあるであろう、前奏が始まる。

ここで僕超鳥肌。

だって、私が高校生の頃死ぬほどきいたあの桑のギターリフそのものだったから。

あのギターサウンドを聴くだけで間違いなくこれがRADの楽曲だって言い切れる。

そして多幸感ある歌詞、いがみ合いながらも幸せそうな瀧と三葉、洋次郎の歌声。

私は前前前世が流れているこの約5分が映画の中で一番好きで、この日常だけを描いた作品を描いてほしいとすら思える。

 

ストーリーとしても二人の主人公が入れ替わりを夢ではなく現実と認識した場面から物語は大きく進行し始めるのでまさに起承転結の承にふさわしい場面での前前前世だと思います。 

 

あと、サウンドトラックに入っている『前前前世』と映画で流れるそれは歌詞がちょっと違う。

 

サウンドトラックに収録されている2番の入り方は、

どっから話すかな 君が眠っていた間のストーリー

何億 何光年分の物語を語りにきたんだよ けどいざその姿この眼に映すと

 映画では、

私たち越えれるかな この先の未来数え切れぬ困難を
言ったろう 二人なら笑って返り討ちにきっとできるさ

君以外の武器は他にはいらないんだ

サウンドトラックに収録されているのはmovie ver.とありますが、多分映画で使用されている方はこれから発売されるRADWIMPSのオリジナルアルバムに収録されるのだと思います。

(実際そうでした。)

 

僕の印象では映画で使われていない方の歌詞の方が映画の内容にマッチしているように思いました。

ふたりとも同じ方向を向いてるのは間違いないんだけど、二人で一緒に頑張っているイメージは映画のこの段階では全くなかった。

この先の困難を示唆したかったのかもしれませんが、この場面では多幸感の溢れる「どっから話すかな...」って歌詞の方が良かったかもなと個人的には思います。

 

転:スパークル

かたわれ時が終わり、瀧の前から三葉が姿を消すその瞬間からスパークルは流れ始めます。

二人の物語が一旦終了する場面。起承転結の転であり結であるこの場面はまさしくこの映画のピークと言えるでしょう。

まだこの世界は 僕を飼いならしてたいみたいだ

望み通りいいだろう 美しくもがくよ

 (スパークルより)

この歌いだしとともに瀧の三葉を忘れまいとする痛切な叫びも始まります。

「君の名前は、三葉」

「大丈夫、覚えてる。」

「三葉、三葉、三葉、みつは、みつは。名前はみつは。」

「君の名前は...」

「...お前は、誰だ?」

「大事な人、忘れちゃだめな人、忘れたくなかった人!」

「君の名前は?」

ここで瀧のパートが終わり、次は宮水の人々を救う三葉のパートに移ります。

瀧から三葉にパートが変わってもこのスパークルは流れ続けており、瀧の世界と三葉の世界が決して断絶していないことを表しているようにすら思います。

 

そしてこの曲のピークとともに、作中では隕石によって宮水の大半が消滅します。

運命だとか未来とかって 言葉がどれだけ手を

伸ばそうと届かない 場所で僕ら恋をする

時計の針も二人を 横目に見ながら進む

そんな世界を二人で 一生 いや、何章でも

生き抜いていこう

 

洋次郎が何を考えてこの曲を作ったのかなんて思いも及びませんが、この曲はどこまでも二人だけの世界を描いているように思います。

世界と対峙し、運命や未来といった場所や時間からも隔絶して二人で生き抜いていくこと。

このとんでもないラブソングこそが私が大好きだったRADWIMPS。

昔のRADのような直接的なラブソングじゃない。

でも、好きな人を堂々と神とすら呼んでしまうかつてのRADの姿を垣間見ることが出来ました。

 

いやー、映画でもここが一番泣きました。笑

 

結:なんでもないや

エピローグで流れる曲。映画としての本当に最後の場面。

君のいない 世界にも 何かの意味はきっとあって

でも君のいない 世界など 夏休みのない 八月のよう

君のいない 世界など 笑うことない サンタのよう

きみのいない 世界など

(なんでもないやより)

 

どなたかのブログの考察で読みました。

従来の新海誠の作品同様に「君の名は。」のエピローグにおいても登場人物たちはその主体性をなくし、風景にまぎれてしまう。と。

たしかにその通りで、瀧と三葉のやり取りや、宮水を救うためのキャラクターのパワーの強さを考えると、エピローグはいささか物足りなさを感じてしまいます。

でも、それが新海作品の魅力の一つなのです。

そしてそれに寄り添うような「なんでもないや」という曲。

 

この曲が演出するのは圧倒的な余韻だと思います。

映画を観終わって、席を立つことができないということがこの映画を見た人に共通して起こった現象のようですが、この曲が担う部分が大きいと自信をもって言えます。

是非、その余韻に映画館で浸ってほしい。

起承転結の結。このなんでもないやという曲で映画が結ばれます。

 

RADWIMPSと君の名は。

「君の名は。に使う楽曲を考えるにあたって、今一度恋愛の歌を考えるきっかけになった。やっぱり、ずっと音楽をやってきたら歌うことは少なくなってくる。けど、そういう壁みたいなものを突き破れる一作になった。」

みたいなことを何かのインタビューで答えていました。

 

私もそう思います。

私が感じてきたのは、洋次郎はRADWIMPS4以降まっすぐなラブソングを避けてきたということ。

それがだめなこととは思いませんが原点から離れて行ってしまったように感じていました。

でも、今回の君の名は。の楽曲たちを聴いて確信しました。やっぱりRADにはラブソングが似合うと。

 

なぜなら、RADの曲は基本的には一人の女性のためだけに歌われたものだったし、その世界は君と僕の二人だけでできていたから。

君と僕が出会えたこと人は奇跡と呼んでみたいだけ

だって君は世界初の肉眼で確認できる愛地上で唯一出会える神様

もしも本当にもしも君がぼくのこと思ってくれてたら

(順に、ふたりごと、有心論、もしもより)

 

最後に、私がRADから離れてしまった5年くらいの間もファンでい続けてくれた多くのRADファンの方に感謝したいです。

彼らを支える今のファンがいなければ今の僕が本当の意味でRADに再会することは出来なかったかもしれないので。

 

今の僕からも10代だったかつての僕からも感謝したい。

 

あー、10年ぶりにライブのチケット取って、新しいRADのファンとRADWIMPSに会いに行こう。

君の名は。(通常盤)

君の名は。(通常盤)

 

 

追記:RADWIMPSと人間開花

で、そのままの勢いでニューアルバムの人間開花も買っちゃいました!

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なぜ君の名はに引き続きCDを買ったのかというと、何かのインタビューで洋次郎が『行き詰っていた感があったけど、君の名は。の音楽制作に携わって新しい領域に踏み出せたと思う。』といったニュアンスのことを言っていたから。

 

私がRADWIMPSの音楽を聴いていた頃って彼らも20代前半だったし、そりゃ伝えたい事も変わりますよね。

一番感じていたのはストレートな恋愛の音楽が減ってきたなということ。

それに代わってメッセージ性の強い音楽が増えていている印象を受けますが、実は2004年にリリースされた2ndシングルの祈跡なんかも非常にメッセージ性が高い。

生きたくても生きれねェやつがいつがいるんだって

そんなんも考えないで生きてる気になんなって

(祈跡より引用)

 

少し話がそれましたが、新領域に到達したという彼らの音楽に期待して人間開花というアルバムを買いました。

 

聴いた感想なんですが、やっぱり僕はRADWIMPSが好きで、ヘビーローテーションしまくりです。会社の行き帰りの車の中は常に人間開花です。

ただ、『こんな斬新でそれでいて素晴らしい曲ってRADWIMPSにしか作れないよな』っていうのは減ってきちゃったなという印象です。

人間開花というアルバムの中では、斬新でかっこいい曲っていうのは『前前前世』と『スパークル』かなと思います。

メッセージ性の強い曲としてはMVも作られている『光』だと思います。というかMVが同性愛っぽい女の子が出てきていて、MVこそメッセージ性が多分に含まれていると思います。

www.youtube.com

 

今にして思うとRADWIMPSはミクスチャーロックっぽい音楽と斬新な歌詞として音楽界のパイオニアだったんじゃないかと思います。善し悪しはともかく最近のロックバンドが多様化しているのもRADWIMPSの影響があると思います。

実際、今話題の米津玄師もRADWIMPSに影響されていると公言していますしね。

ちなみに本アルバムに収録されている『アメノヒニキク』はサカナクションの音楽に聴こえて仕方ありません。

 

正直、昔のRADWIMPSが好きな私としては少し物足りない感じもありますが、相変わらずクワのギターリフも相変わらずかっこいいし、武田の奏でるベースラインもスラップもやっぱり凄いし、洋次郎も確実に歌が上手くなっているし。

買って間違いない1枚だと思います。

人間開花(通常盤)

人間開花(通常盤)

 

 

ただ、前前前世とスパークルについては、『君の名は。』に収録されているmovie ver.の方が絶対にいいです。

前前前世はmovie. verの方が全体的にすっきりしています。

スパークルはmovie ver.は約9分の曲で少し長いし、その半分くらいがボーカルの入っていない演奏ですが、そのボーカルのない時間があるからこそ最後の鳥肌さえ立つメロディに繋がるのだと思います。その長さを心地よいと感じられる人にはmovie ver.の方がいいです!

前前前世とスパークルが好きな方は『君の名は。』のアルバムをおすすめします。

君の名は。(通常盤)

君の名は。(通常盤)

 

 

ちなみに、私にとっての永遠の史上最高のアルバムはRADWIMPS2~発展途上~です。

RADWIMPS2~発展途上~

RADWIMPS2~発展途上~

 

愛し、ヒキコモリロリン、俺色スカイ、なんちって。

何回聴いたかわかりません。

ヒキコモリロリンは最近のライブでも演奏してくれているみたいなので是非聴いてみてください。

奇抜な演奏と洋次郎の歌詞が最もマッチしている曲だと思います。

 

あー、ツアーのチケットが当たりますように!

 

2016年12月追記:チケット外れました。。。

 

日本アカデミー賞受賞

2017年1月、第40回日本アカデミー賞が発表されました。

優秀アニメーション作品に『君の名は。』

優秀監督賞、優秀脚本賞に『新海誠』

優秀音楽賞に『radwimps』

がそれぞれ選ばれました。

 

と言われても正直よくわかりませんが。

ボブディランがノーベル賞を取ったときと同じくらい、優秀音楽賞にロックバンドが選ばれるということに違和感を感じます。

これでradwimpsの何がかわるの?と言われてもきっと何も変わらないと思いますが。

3月3日に授賞式があるようなので、そこで何を語るのか楽しみにしたいと思います。

後は、前回受賞者のサカナクションとのやり取りもきっとあると思うので、新しい音楽を作り続ける二つのバンドが何を語りあうのか楽しみにしたいと思います!