瀧本哲史さんの『君に友達はいらない』がきっかけで、無知と貧困について色々勉強した。
瀧本哲史さんの君に友達はいらないを読み終えました。
就職前の学生や若いビジネスマンに是非読んでいただきたいと思えるだけの素晴らしい内容でした。
今回は、本書の本流ではないんだけど、私の心に残った言葉とそこから感じたことを紹介します。
(本流の部分も素晴らしいので、私のこの後の内容が気に入らなくても絶対に読んでみてほしい。)
まずは心に残った言葉から。それは永山則夫という死刑囚が獄中で述懐した以下の言葉です。
「事件がおきたのは自分が無知だったからだ。無知なのは貧乏だったからだ。」
永山について簡単に紹介すると、1965年永山は集団就職して上野駅に降り立った。永山少年は父母に捨てられ食べ物にも不自由した故郷で犯した、たった一度の非行歴の発覚に怯えて職を転々とし都会の孤独と貧困の底で喘ぐ。その後、彼は4人のタクシードライバーをピストルで射殺し、死刑囚となった。
永山は死刑執行までの獄中でマルクス等を含む様々な書物に触れ、文章を書くことで自分を見つめるすべを見出したとされており、実際に小説や手記等が出版されている。
出版された書籍の印税は遺族に渡したいと述べていたそうだ。(すみませんこれが実際に遺族の方に渡されたのかは私は調べれていません。)
この一連の事件および永山の言葉を紹介した後に、瀧本哲史さんはこう締めくくります。
貧困こそが人間から人間性を奪い、人を不幸にする最大の原因となるのだ。
一人の死刑囚の言葉にどれだけ真摯に向き合う必要があるのか、このことは良く考えなくてはいけないと思います。
ただ、私はこの言葉を発した人間がどのような人であれ、無知なのは貧乏だったからだという言葉にはある程度の真理が含まれていると感じました。
だからこれを受けて私が考えていきたいと思ったことが二つあります。
一つは貧困について考えること。これほどまでに科学技術が発達して国が豊かになっているのに、貧困はどこから生まれるのか。
もう一つは、現代における無知と貧困の関係性を知ること。永山が生きた時代と現代は全く異なっているはずで、例えば、現在ではスマホ一つさえあれば何だって調べることが出来ます。図書館だって様々な自治体にあります。書籍の中にはハーバード大学の授業と称するものも複数出版されています。
なので、この環境における無知はどのようにして生まれるのか知りたい。
無知について考えるためにこの本は読みたいと考えています。
今回は、君に友達はいらないという本を本流とは異なる角度から紹介しました。
いろんなことに考えが巡る素晴らしい本でした。
2018年1月追記
この記事を書いたことすら忘れていたのですが、このあと私は貧困のことも教育のことも勉強しました。
実際には、永山則夫の本は読まなかったんですが、参考にした本を紹介します。
少し古い本ですが、実際に日本にある貧困の現状はその凄惨さを知るにはこの本が良かったです。
著者の湯浅誠さんは現在もなお、貧困と戦っている素晴らしい社会活動家です。
貧困とはちょっと異なりますが、学校や図書館がない途上国に、学校や図書館を新設していくNPOの話。
勉強する施設環境という点において、日本がいかに恵まれているかを知れる一冊。でも、箱があるだけじゃ勉強しないのも事実。
マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった
- 作者: ジョンウッド,矢羽野薫
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こちらも教育の話。自分と同世代の方が途上国の教育問題をITの力を使って解決していくのは、素晴らしいと思うと同時に少し嫉妬してしまった。
それほどまでに、彼らが積み重ねていることは素晴らしい。
上に紹介したものだけではないですが、瀧本哲史さんの本が(少し)きっかけになって読んだ本です。
紹介した本はどれも自信を持ってオススメできる本です。
もし、気になる本があればそれらも合わせて読んでみてください。