子どもでもきっと楽しめる!生物多様性や進化論に関するお勧めの本を4冊紹介します。
生物多様性への興味と理解の発展に尽力したいと思っています。
その一助として、名著のパワーを借ります。
せっかくなので、読みたい年代別に紹介します。
小学校高学年くらいから!
ソロモンの指環/コンラート・ローレンツ
- 作者: コンラートローレンツ,Konrad Lorenz,日高敏隆
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1998/03
- メディア: 文庫
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動物行動学という領域を開拓したことによりノーベル生理医学賞を受賞した、
ローレンツの作品です。
「ソロモンの指環」とは身につけることで動物たちと自由に話せるようになるという、
ソロモン王の物語に出てくるアイテムです。
本書の著者のローレンツはソロモンの指環がなくとも、
親しい動物とならばソロモン王以上に話せると自負する人間です。
彼のとった方法は非常にシンプルで、たくさんの動物と一緒に暮らすことです。
本書はその中で動物の傾向や性格を見出していったことを綴ったエッセイです。
専門用語は全く出てきませんので、小学生でも動物たちに興味がありさえすれば、
読むことが出来ると判断しました!
研究室で難しい顔をして試験管を振ることだけが学問ではないのだと、
教えてくれる一冊でもあります。
高校生くらいから!
沈黙の春/レイチェル・カーソン
世界で最初に人類の活動(主に農薬の散布)によって環境破壊が行われ、
生物多様性が損なわれていると訴えた本です。
筆者の思いはタイトルにもある通り、
「このまま人類による環境破壊が進めば、
春が来ても生命の目覚めの音が聞こえなくなる未来が来てしまう。」
そういったことを危惧した内容になっています。
古い本であり、科学的考察も昔より今の方が進んでいることも多いので、
どこまで参考にすべきかは難しいところです。
ただ、環境問題や生物多様性に関心のある方は必ずと言っていいほど、
読んでおりますので、紹介させていただきました。
この本も農薬の名前こそ専門的ですが、そのほかに専門知識は必要ないので、
高校生くらいから読めると判断しました。
我々は「沈黙の春」が来ないよう
自身の生活の方法を見つめ直す必要があるのではないかと思います。
大学生くらいから!
種の起源/チャールズ・ダーウィン
- 作者: チャールズダーウィン,Charles Darwin,渡辺政隆
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2009/09/20
- メディア: 文庫
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誰しも一度は名前を聞いたことがあるはずです。
1859年に出版された自然淘汰説という進化論を述べた本です。
生物がどのようにして今のような多様性を手に入れたのか。
神が設計したとすら考えられていた個々の生物の進化を、
観察力と洞察力を元に論理的に考察した本になります。
何が凄いって、この頃はまだ「遺伝子」の存在も明らかになっていなかったんですよ。
進化論に関しては、150年の時を経ても未だ結論が出ていません。
それでもダーウィンの進化論を否定する要素は見つかっておらず、
ダーウィンの進化論を支持する人は多いです。
専門知識こそ要らないものの、内容は学説の紹介になっておりますので、
やや難解で、くどく読みにくい部分もあります。
読み進めるのに根気が要りますので、大学生くらいから読んでみてはと思います。
ただ明らかに、世界を変えた一冊です。
興味のある方は勇気を出して、1ページ目を開いてみてください。
利己的な遺伝子/リチャード・ドーキンス
- 作者: リチャード・ドーキンス,日高敏隆,岸由二,羽田節子,垂水雄二
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2006/05/01
- メディア: 単行本
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ダーウィンの意思を色濃く引き継いだのがドーキンス博士です。
ダーウィンが提唱した自然淘汰説の妥当性を
150年前から大いに進歩した遺伝学と照らし合わせながら紹介している本になります。
特に、ダーウィンの時代には存在しなかった 「遺伝子」の面から、
進化論がいかに論理的に納得のいく内容になっているのかを述べた本になります。
進化論に結論が出ていないため、
この本がどれだけ正しいのかどうかは判断できませんが、
現代科学における最もメジャーな進化論の考え方を知っておくことは
生物多様性を考える上で大切なことではないかと思います。
この本は専門用語はあまり使わないように考慮してくれていますが、
予備知識として遺伝学の事を知っておいた方が頭には入ってきやすいです。
よって、大学以降にお勧めしたい一冊です。
まとめ
どうでしたか。
歴史的名著といえどもとっつきにくい本ばかりではありません。
わかりやすくするために高校生以降からとか大学生以降から等という
表現を用いましたが、勉強して予備知識を持っていればもっと早くに読んでも
充分理解できる内容になっています。
難解なことをわかりやすく述べているのが名著たる所以の一つでもありますから。
自分の視野を広げるという意味でも、
勇気を出して1ページ目を開いてみてはいかがでしょうか。
本を読んだ後には世界の見え方が少し変わっているはずです。
参考記事
2016年11月追記