満月なのでご紹介します。

社会問題(特に動物問題)と読書のブログ

【感想/ある小さなスズメの記録】小さな命と心を通わせることの素晴らしさ【クレア・キップス】

スズメという鳥がいます。

 

過去から現代に至るまで日本人だけでなく世界中で多くの人の目を楽しませてきた鳥です。

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(都内にて撮影)

 

スズメって本当に物理的にも心理的にも身近な鳥です。

ですが、彼らと心を通わせたいと思ったことがありますか?

 

少なくとも私にとってスズメはあくまでもスズメであり、心を通わせたいとか思ったことはありませんでした。

 

でもやっぱりいるんです。

スズメと一緒に暮らし心を通わせるチャンスを手にした人が。

その人の名前はクレア・キップス。1890年イギリス生まれ。ピアニスト。

スズメとの暮らしを綴った『ある小さなスズメの記録』という本は世界中で愛されました。

 

今回はこの本を一人でも多くの人に読んでもらいたいと思い紹介します。

ある小さなスズメの記録 人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯 (文春文庫)

ある小さなスズメの記録 人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯 (文春文庫)

 

 

内容紹介

第二次世界大戦下のイギリス。夫に先立たれた一人の老ピアニストが出会ったのは、一羽の傷ついた小雀だった。愛情深く育てられた雀のクラレンスは、敵機の襲来に怯える人々の希望の灯となっていくー。特異な才能を開花させたクラレンスとキップス夫人が共に暮らした12年間の実録。世界的大ベストセラーの名作。(ある小さなスズメの記録内容紹介より)

1940年7月1日。キップス夫人は生まれたばかりの瀕死のスズメを拾い助けます。

なんとか一命を取り留めたそのスズメに発覚したのは右翼と左足の障害でした。

キップス夫人はこのことについて、『自身の安全を確保するのに必要な高さまで飛べる日が来ようとは思えなかった』と述べています。

ここから12年間に渡るキップス夫人と歌うことが大好きなスズメのクレランスの愛情に満ちた共同生活が始まります。

 

小さな命と心を通わせることの素晴らしさ

前にも似たような内容の記事を書きました。

哲学者とオオカミというタイトルの本のレビュー記事です。

タイトル通りオオカミと暮らすチャンスを手にした人の話です。

(ちなみにですが、私のブログで初めてスマートニュースに掲載された思い入れのある記事です。)

【感想/哲学者とオオカミ】オオカミと暮らすチャンスを手にした哲学者の話 - クジラの歌

哲学者とオオカミ―愛・死・幸福についてのレッスン

哲学者とオオカミ―愛・死・幸福についてのレッスン

 

 

今回紹介しているスズメの本と、前に紹介したオオカミの本には圧倒的な共通点があります。

それは、彼らにとっての世界は自分自身なのだと認識していること。洞察力の深さ

なによりそれらの小さな命に対する愛情の深さです。

 

空を飛べる羽があろうと(クレランスはほとんど飛べませんが)、鋭い牙があろうと、彼らを愛する人がいない限り人間社会で生きていくことは難しいんです。

人間社会ではスズメもオオカミも同様に小さい命なんです。

 

そういった命を愛することの素晴らしさをこれらの2冊の本は教えてくれます。

これらの本では動物たちの喜怒哀楽はもちろんのこと、彼の持つ尊厳や嫉妬心までもが非常に細やかに描かれています。

 

多くの人にとって、スズメやオオカミと過ごすチャンスはあまりありません。

だからこそ本を通じてでも小さい命たちの想いを感じてみてほしいんです。

 

そうすることで、自分より弱い命たちをどのように共存していくべきかということを考えてほしいです。

そうすればきっと人を含めた多くの生き物に対してきっと優しくなれるはずです。

そういう人が増えてほしいと思っています。

 

鳥に関係する記事紹介

  ・過去書いたカラスの記事。

caffeyne.hatenablog.com

 ・鶏に関係する記事

caffeyne.hatenablog.com

caffeyne.hatenablog.com

今、6度目の大絶滅が起きているということを知っていますか?種が絶滅してはいけない理由を考える。

考えたことがありますか?

なぜ動物は絶滅してはダメなのか。動物を絶滅から守らないとダメなのか。

 

そのことを考えていきたいと思います。

 

[目次]

 

①一つの種が絶滅すれば生態系に計り知れない影響を及ぼすということ

これよく言われますよね。

ただ、それってその種の数が多い場合の話で、その種の絶対数が少なすぎる場合には適応できない考え方だと思っていました。

でも勉強すればそれに対する反例はありました。

キーストーン種という概念です。

キーストーン種(英: Keystone species)または中枢とは、生態系において比較的少ない生物量でありながらも、生態系へ大きな影響を与える生物を指す生態学用語。(wikipediaより)

身近なキーストーン種でいうとラッコがそうらしいです。

数は多くないけどラッコがウニを食べることで北太平洋沿岸の生態系をキープしていたらしい。

 

でも、これも生物が絶滅してはいけない理由にはならない。

なぜなら影響力が強いということを拠り所にするならば、影響力の弱い種は絶滅しても良いことになってしまうからです。

 

②ヒトに有用だから

進化の系譜をヒトがたどり直すことが出来ないから、一度絶滅してしまえばもう二度とその種には会えなくなる。

もし、その種が既知あるいは未知の病に対する有用物質を持っていたとすれば、その種を失うことはヒトにとって計り知れない損害になる。

 

こういう考え方も良く聞きます。その考え自体は確かにその通りだと思います。

 

 

しかし、この考え方では絶滅から種を守るのは人に有用な場合になってしまいます。

象牙のハンコのために象を絶滅から守る。(象牙のためには殺しながら)

酔い止めになるとされているクマの胆汁のためにクマを絶滅から守る。(胆汁のためには殺しながら)

毛皮のためにキツネを絶滅から守る。(毛皮のためには殺しながら)

 

極端かもしれませんが、私にはこういう考え方に聞こえてしまいます。

 

現在のところ、苦しみを感じないと考えられている植物や微生物などに対しては有用だからという考え方もあってもよいと思います。(この考え方も科学が進めば反例が出てくるかもしれませんが。)

でも、ヒトと起源を同じくする動物たちに対して『有用だから』という考え方で絶滅から守るというのはあまりに寂しいと思います。

 

現状の私の考え

こういうことを考えていると、なぜ生物は絶滅してはダメなのか。なぜ他種を絶滅から守ろうとする人がいるのか。

そう聞かれると私は多分悲しいからとしか答えることが出来ないと思います。

 

でも、それって説明になっているのかどうか。

もう少し理解を進めていく必要があると思いました。

 

2016年11月7日追記。

色んな方にお言葉を頂いて、なんとなく一つの答えが見えてきました。

それは『生物が絶滅してはいけない理由は、その他の種に有用である可能性があるから』です。

ヒトだけに有用と考えるのではなく、種全体に有用な可能性があるという考え方は私にとって受け入れやすいものでした。

 

例えば、絶滅しかかっているある植物がヒトには有用じゃなくても、イヌの病気に有用であれば絶滅させることは損害だと思います。。

例えば、野生の象の糞がその他の動物の病気を治すのであれば、象は絶滅から守るべきです。

こじつけかもしれませんが、私はこうやって自分を納得させることにしました。

そして、全ての種が何かしらの可能性を持つという考えから全ての種は絶滅から守るべきなのではと考えられます。

 

実際に、2015年にノーベル生理学医学賞を受賞した大村智教授がある生物の成分がヒト以外の他の生物に有用であるという研究実績を残されています。

大村 智 博士と米国メルク社に在職していたウィリアム・キャンベル博士は、土壌から分離された微生物から、寄生虫(線虫類など)に有効なエバーメクチンを発見しました。 

エバーメクチンは、1981年から動物薬として販売され、ウシ、ヒツジ、ブタ、イヌなどの獣医学領域で寄生虫駆除に用いられています。 この薬剤の効果は、例えば日本におけるイヌのフィラリア症(犬糸状虫症)の場合、フィラリアの予防と駆除に著効を示し、使用前の時代と現在では犬の寿命が2倍以上に延びました。(北里大学HPより引用)

 

この研究も放線菌が絶滅していたら為し得なかった研究です。

こういうことがあるから種は絶滅してはいけない。

今はこう思うようになりました。もちろん、悲しいから寂しいから種が絶滅してほしくないという優しい気持ちが最も尊いものだと今でも考えています。

『大村智物語』という本がエバーメクチンがどのような背景で発見されたのか、といったことや、大村智教授の人となりが非常に分かりやすく描かれていました。

関心のある方は是非読んでみてください。

 

 

今、地球では6度目の大絶滅を迎えているといわれている。

絶滅は現在進行形で加速度的に進行しているといわれていることを知っていますか?

是非、下に紹介する記事を読んでみてください。

natgeo.nikkeibp.co.jp

この5億年間で、地球上の生命は「5大絶滅」と呼ばれる、5度の大量絶滅を経験した。気候変動、氷河期、火山の噴火。そして、6500万年前にメキシコ湾に落下し恐竜をはじめとする多くの生物を絶滅させた隕石――絶滅のきっかけとなった原因はさまざまだ。そして、今、私たちは6度目の大量絶滅に直面しているかもしれない。(記事より引用)

現在のペースのまま絶滅が進めば今後数百年間で動物種の4分の3が絶滅するとの研究が発表されたとことです。

そして、今回の絶滅はヒトが引き起こしているものだとも。

 

こんなに悲しいことはないと思います。

ヒトが引き起こしているならば、人が解決できることもあります。

 

今を生きるヒトは、もっと絶滅ということに対して真摯に考える必要があるのではないかと思いました。

 

人類が大量絶滅を生き延びたとしても、多くの生物種が失われた世界で生きていきたいですか? あるいは、私たちの子孫が、そうした世界で暮らしてほしいと思いますか?(記事より引用)

 

私はそんな世界は絶対にいやです! 

 

きっとこの記事を読んでくださっているあなたもそんな世界は望んでいないと思います。

だから、そのために小さなことでも少しずつ取り組んでいきませんか?

 

参考文献

途中に紹介したニュースで話をしてくださっている方の著書『6度目の大絶滅』。

書店で見たかぎり非常に分厚い本でしたがいつか必ず読むと決めています。 

 

関連記事

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【感想/異端のススメ】同質社会においては意識改革が一つのキーワードになると思う。【小池百合子、林修】

個人的にというか、東京都の動物殺処分ゼロを目指している小池百合子さんに興味があって、ものすごく期待もしています。

だから、築地市場の移転とかどうでもいいので一刻も早く小池百合子さんが理想とする東京都の姿を描いもらいたいと思います。

 

とはいえ、小池百合子さんがどんな人か知りません。

知らない人を応援するということは難しいし、正しく応援できるのかわからなかったので本を読みました。

なんか面白そうだったので、『今でしょ!』の林先生との対談【異端のススメ】を読みました。

 

異端のススメ

東大出身の塾講師の林修。

日本の大学を中退後、1970年代にカイロ大学を卒業した小池百合子。

 

異端たる二人が社会問題を論じ、夢を語り、自身の過去をさらけ出します。

 

本書は2013年に出版されたものであり、小池百合子さんが今掲げる動物殺処分ゼロというところに直接結びつくようなことは発見できませんでしたが、なんとなく見えた部分もあったので紹介したいと思います。

 

それでは、なぜ異端がすすめられているのか。まずその大前提の部分を紹介します。

 

世界の中でも高度のホモジニアス、同質社会の国、日本

ホモジニアス、同質社会。

一言で言うと、他の人と同じであることで心の安寧を見出すことです。

同質性が戦後日本の高度成長を牽引してきた。「あなた、お隣はテレビをお買いになったのよ。うちは?」「車、ピアノ・・・」という具合である。バブル現象もしかりである。皆と同じことをしていれば安心、という集団心理的現象である。

日本人ってそうみたいです。出る杭は打たれるとか言いますしね。レールを外れるという若いブロガーさんに辛辣な反応が多かったのも一つの例になりえるのかなと思います。

 

でも、その同質性だけで良かった時代は終わったとのことです。

『人と違う一歩を踏み出す勇気が日本を動かすかもしれない。』小池百合子

『この厳しい時代に合って、自分と向き合い、進むべき道を考えるにあたって、自分らしさを活かしやすいブルーオーシャンを探すべきではないか。』林修

 

すなわち異端を勧める理由は、同質性からの脱却が必要だと考えているからだと思います。

 

意識改革

そして、小池百合子さんが考える同質性からの脱却において重要なキーサードは『意識改革』なのだと思います。

 

小池百合子さんがこれまで行ったことの一つが「クールビズ」です。

真夏にギラギラと照り返しが来る道をネクタイとジャケットを着こんで汗を流しながら営業活動をしている人たちを気の毒に思ってきたとのことであり、その意識を変えたいとの思いからクールビズを実施したとのことでした。

次に狙っているのは働き方の意識改革で、残業ゼロを狙っているとのことです。

これらは、全て意識改革で行う。制度や予算の問題ではないと言い切っています。

 

これらから考えると、同質社会において何かを変えるために必要なことの一つが『意識改革』なのかもしれません。

 

殺処分ゼロに向けて

小池百合子さんは動物殺処分ゼロにむけてまず教育から行っていきたいと述べています。

教育とはまさに意識改革でしょう。

ただ、教育における意識改革は時間がかかります。

また、個人的には今の負の遺産を子どもたちに生産させるのもちょっと違うかなと思っています。今すぐにでも解決すべきだと。

でも、子どもを教育して親の意識も変わるならば大いに意味があるとも思います。

 

これからどんな意識改革が行われていくのか、注目していきたいと思います。

 

参考

紹介した本

異端のススメ

異端のススメ

 

 

大ベストセラーの嫌われる勇気も同質社会を考える上で役に立つと思います。

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

 

 

前に書いた記事。

caffeyne.hatenablog.com

子どもにおすすめの生き物図鑑No.1はココリコ田中が書いた生き物が見ている世界!!!

動物が大好きで有名なお笑い芸人ココリコ田中と日本のインディージョーンズと呼ばれている長沼毅教授(広島大学)がコラボした図鑑がめちゃくちゃ斬新でとてつもなくおもしろいです!

 

その内容とは!?

 

生き物たちが見ているが見ているだろう世界を、科学の知見を駆使して描写したおそらく前例のない図鑑です。

 

コンセプトがめちゃくちゃおもしろくないですか?

なぜそのコンセプトに至ったのかというこのについてココリコ田中が前書きで語っています。その内容が本当に素晴らしいのでほとんど引用させて頂きます。

突然ですが、僕は生き物が大好きです。好きで好きでたまりません。その容姿、生態、能力、それぞれに魅力があり、魅力が無い生き物なんていないと思っています。

そんな生き物が大好きな自分が、以前からずっと気になっていたのが、「生き物たちにはこの世界はどのように見えているのか?」ということでした。

中略

イヌの目を調べていき、少しずつ色んなことがわかっていくと、イヌだけにとどまらず、そのほかの生き物の見ている世界もしりたくなり、それをまとめた本をつくれないだろうか?と思うようになりました。

中略

そしてそこで(勉強して)感じたことは「どう見えているかは断言できない」ということです。あたりまえのことですが、イヌにどのような世界が見えているのかインタビューすることはできません。もちろんネコにもキャットフードがどのように見えているのかはインタビューできないのです。なので、今回は、ヒトの目のデータを参考に、それぞれの生き物の目の構造や視細胞、視野などを調べ、「ヒトと比べてこう見えているのではないか?」を僕なりに絵にしてみました。

とはいえ、やはり誰も見たことが無い世界なので、もしかしたら全然違っているのかもしれません。先々、もっといろんな研究がされて、「イヌの見えている世界、全然ちがうやん!」とか「トンボの見てる世界もこんなんじゃない!」となるかもしれません。しかし今現在、わかっている範囲の中での生き物たちが見ている世界をどうしても形にしたく、このような本を出すことにしました。

まだ誰も見たことが無い、‘‘こう見ているんじゃないかな?という世界’’をのぞいて、おどろいたり、新たな発見をしてその生き物に興味をもっていただけたらうれしいです。

田中直樹

(生き物が見ている世界より引用)

 

僕の想いも田中直樹さんとほとんど同じで、色んな生き物に興味を持ってほしいと思っています。

そして、この本は間違いなく動物に興味を持つための一助になると確信できます。

図鑑をヒトよりたくさん買ってきたわたしが言うのだから間違いないと思います。

 

そして肝心の内容はこんな感じ。

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これは大きいイラストがゴールデンハムスターが見ているだろうという世界のイラストで、右下のイラストが我々ヒトが見ている世界のイラストです。

 

こんなに違うんです!

ハムスターの世界は白黒なんです!

 

もちろん、ハムスター以外にもライオン、シマウマ、モグラ、イヌ、ネコ、イルカ、クジラ、ワシ、クジャク、チョウ、トンボ、イグアナ等30種以上の生き物の見えているだろう世界が収録されています。

 

めちゃくちゃ面白い!

 

モグラは全然目が見えていないし、イグアナは右目で見る世界と左目で見る世界が繋がっていないし。

クジラが世界をどんなふうに見ているかって想像したことがありましたか?

想像したことが無い人はぜひ想像してみてください。そして本書を手に取ってみてください。きっと新しい発見があるはずです。

 

そしてその想像を是非お子さんとも共有してみてほしいんです。絶対に面白いので!!!

 

そして他の生き物を知ることでヒト自身のこと見つめ直すことが出来ると思います。ヒトは目に頼って生きていると言われますが、こんなにヒトの目ってすごかったんだって気付かされるはずです!

間違いなく芸人としての仕事の枠組みを超えた素晴らしい生き物図鑑です。

 

子どもの頃にこの本が家にあればきっと感受性豊かな子どもに育つと思います。他者が見ている世界を想像するということの訓練になるはずです。本気でそう信じられるような内容になっています。もちろん大人も楽しめる図鑑なので是非手に取って頂ければと思います!

まちがいなく今、自信を持ってお勧めできる図鑑No.1です!

ココリコ田中×長沼毅presents 図解 生き物が見ている世界

ココリコ田中×長沼毅presents 図解 生き物が見ている世界

 

 

私は種の起源や進化論が解明された後の世界を見てみたい。

久しぶりにブログ書きます。

 

タイトル通りです。

 

私は生命の神秘に興味があってその中でも種の起源に非常に興味があります。

 

 もちろんチャールズ・ダーウィンの種の起源も読みました。

種の起源〈上〉 (光文社古典新訳文庫)

種の起源〈上〉 (光文社古典新訳文庫)

 

 

で、学生の頃にお酒の席で教授に聞いたことがあります。

私『先生。進化論ってどうなんですか?興味ありますか?』

 

教授『あれは究極の趣味だ。』

 

私『・・・。究極の趣味ってなんだ?』

 

うちの教授は結構凄い人で、普段そんなあほみたいな言い回しをしたりはしません。

 

曰く、進化論を解明しても金にならない。

曰く、そんなものに人や国や企業は金をださない。

曰く、だからそんなものは趣味でやるべきだと。

曰く、しかし趣味にしてはハイレベルすぎると。

 

だから、究極の趣味らしいです。

なんか、夢がねえなぁって感じですが世のため人のため≒人が支援すると考えると、

確かにニーズは薄いのかなと思ってしまいます。

 

でも、見てみたくないですか?

この地球で初めて誕生した生命がどんなものだったのか。

知りたくないですか?

なぜキリンの首が長いのか。

なぜパンダの目の周りは黒いのか。

なぜシャチの目の周りは白いのか。

 

なぜそんな進化を選択したのか。

ずばり私が知りたいのはこれです。

 

なぜこのような生物多様性が生まれたのか。

ダーウィンが言うように自然選択がそうさせたのか。

あるいは後天的遺伝がそうさせたのか。

 

いずれにせよ私たちは最初の生命から脈々と受け継がれてきたこの世界の生物多様性とその生命にもっと敬意を払うべきなんです。

今、多くの人にとって人以外の生命は、取るに足らないものと考えられていると思います。そう感じます。

この考えが改められるのはきっと法改正とかじゃないんです。単純な科学の発見でもないような気がします。

 

そういうことじゃなくて、もっとこの世の価値観がひっくりかえるような大発見が私たちには必要なんじゃないかと思います。

私の思うそのパラダイムシフトが『種の起源』や『進化論』の解明だと思います。

 

そしてきっとそれらが解明された後のその世界は今よりも優しいものだと思います。

それが見たい!

あー、だれか究極の趣味を完成させてくれないだろうか。

 

こんな他力本願な願いが夢と言えるのかどうかわかりませんが、わがままな私の願いです。

 

以下の本は時系列と共にダーウィンだけじゃない様々な進化論の変遷をわかりやすく教えてくれるのでオススメです。

種の起源よりもよっぽど読みやすいので、進化論に興味をもたれた方は是非こちらをお読みください。

眠れなくなる進化論の話 ?ダーウィン、ドーキンズから現代進化学まで全部みせます? (知りたい!サイエンス)

眠れなくなる進化論の話 ?ダーウィン、ドーキンズから現代進化学まで全部みせます? (知りたい!サイエンス)

  • 作者: ハインツ・ホライス,矢沢潔,三中信宏,河田雅圭,長野敬,矢沢サイエンスオフィス
  • 出版社/メーカー: 技術評論社
  • 発売日: 2011/12/09
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過去に書いた記事も紹介します。

生物多様性や進化論に関する本の紹介です。

caffeyne.hatenablog.com

 

 

【感想】保健所犬の飼い主になる前に知っておきたいこと/片野ゆか

片野ゆかさんは日本の不幸な動物たちを救うために活動しておられるライターです。

 

これまでにも熊本県の動物殺処分ゼロプロジェクトに密着した本や、動物福祉の向上に目を向けつつある動物園のノンフィクションを執筆されてきました。

ゼロ! 熊本市動物愛護センター10年の闘い (集英社文庫)

ゼロ! 熊本市動物愛護センター10年の闘い (集英社文庫)

 

 

動物翻訳家 心の声をキャッチする、飼育員のリアルストーリー

動物翻訳家 心の声をキャッチする、飼育員のリアルストーリー

 

 今回は、その片野ゆかさんの保健所犬の飼い主になる前に知っておきたいことという本を紹介します。

時系列的にいえば、先に紹介した2冊の本よりも先に出版された本です。

ちなみにご自身も保健所から犬を引き取って共に暮らしています。

 

片野ゆかさんの本について

動物福祉とか動物愛護とかそういうことに触れるとどうしても愚かな人間の行動に目が向いてしまいます。

でも、片野ゆかさんは恐らくそういったことを理解したうえで、他者を貶めるようなことは絶対に書きません。

どこまでもポジティブに、建設的に、具体的に、動物福祉を向上させるために何を行うべきかということを示してくれます。

だから、動物福祉に興味を持ち始めた人が最初に読む本としてはふさわしいのかもしれません。

 

保健所犬の飼い主になる前に知っておきたいこと

この本は内容的にはいわゆるハウツー本になるのかもしれません。

以下に内容を列挙します。

 

・どこに行けば保健所犬に会うことができるのか

・犬を飼うにあたってどれくらいの費用が必要なのか

・子犬ではない成犬の保健所犬を暮らすメリットとは

・保健所犬の飼い主になるにあたってなぜ厳しい審査を動物愛護団体から受けないとならないのか

・二度と自分の飼い犬を保健所犬に戻さない方法

・ペットの災害時対策

・保健所犬の飼い主になって思うこと

 

こうやって書くと無機質で堅い本のように感じるかもしれませんが、そんなことはありません。

新たな犬生を歩きだした保健所犬の写真がたくさん掲載されています。

また、片野ゆかさんの精力的な取材のなかで見られた人と人、人と犬、犬と犬の交流の姿が本書のなかにもたくさんちりばめられています。

 

その一つが白内障が信仰してほとんど目が見えなくなった老齢犬を引き取った人のエピソード。

「残り少ない犬生を温かい場所で過ごさせてあげたい」という思いから引き取ったとのことでした。

こんなに優しい人がいるんだと感銘を受けたエピソードです。

 

これらがこの本を温かいものにしています。

 

まとめ

本書のタイトルは保健所犬の飼い主になる前に知っておきたいこととあります。

ですが、私は可能であればこれから動物を飼いたいと思っている多くの人にこの本を読んでみてほしいと思います。

今、犬を飼っている人にも読んでみてほしい。

 

なぜならこの本は単純なハウツー本ではないから。

この本が教えてくれることは動物の愛し方です。

保健所犬の飼い主になる前に知っておきたいこと

保健所犬の飼い主になる前に知っておきたいこと

 

 

参考

過去に片野ゆかさんの本のレビューをしています。

興味のある方は是非こちらも参照してみてください。

caffeyne.hatenablog.com

 

caffeyne.hatenablog.com