満月なのでご紹介します。

社会問題(特に動物問題)と読書のブログ

社会問題に関心のある人が陥りがちな無力感とそれを緩和する方法について

社会問題の解決を目指すリディラバという団体が主催するR-SICというカンファレンスに行ってきました。

 

r-sic.com

 

リディラバは普段は社会問題を扱うリディラバジャーナルというweb雑誌を出版していたり、スタディツアーを主催したりしています。

 

そのリディラバの代表の安部さんがこのように言っていました。

「(社会問題の解決について)アクションベースだとハードルが高く、結果として無力感につながる。だからシェアすることで少しでも無力感を緩和したいという思いがある。」

 

***

 

この話を聞いたときにめちゃくちゃハッとしたんですよ。

社会問題というのはなかなか解決できないから社会問題として残っていて、もちろん個人が片手間に解決できるようなもんじゃありません。

社会問題に興味があっても、そういうものに関係のない仕事をしている人がまだ多数を占めると思っています。僕もそうです。

 

だから関心があるだけで動けていない無力感というのは痛いほどにわかります。僕も今までずっとそう感じていました。

けどシェアすればいいと、社会問題解決の第一人者が言ってくれているのです。

支援したい気持ちがある人の無力感というネガティブな感情まで気にしてくれている。

 

こんなにありがたいことはないと思います。

 

シェアだけで問題が解決できるわけではないし、メディアだけで問題が解決できるわけでもないんだけれども、問題を知ることもなしに問題が解決することはありません。

何も知らずに他人に優しくすることもできません。

 

だからシェアをしよう。そう思えるようになりました。

 

リディラバ代表の安部さんの本はこちら。竹中平蔵さんとの対談本です。

イルカショーに関する日本と世界の認識の違いについて。

先日、日本で開催されたセーリングW杯開会式でイルカショーが行われ、参加したアスリートから批判が出たとの記事がりました。

 

www.fnn.jp

 

イルカショーはボイコットすべきというtwitterアカウントなんかはよく見るので、そういうものを目指している人たちもいるということは僕も知っていました。

 

ですがそれは一部の過激な人たちの意見だと、正直なところ僕自身思い込んでいました。なぜならそういうtwitterアカウントの多くはイルカやクジラが殺戮されている残虐な写真を掲載していたからです。(僕は残酷な写真を唐突に見せること自体も暴力的で過激だと思っています。)

 

でも今回のニュースを知って、イルカショーをボイコットしようという思いは過激な人たちだけのものではないということが明らかになりました。(世界的な流れとするのは物事を広く捉えすぎだと思うけれども)

 

僕自身も囲いの中でのイルカショーはいずれなくなるべきだと思っているので、この流れが穏やかに進んでいくことは歓迎です。

前にも書いたかもしれないけど海で野生のイルカとイルカショーができたら最高と思ってます。

 

ただ今の日本においてイルカショーに問題を感じている人はおそらく少数派で、問題を認知していない人がほとんどだと思うので、これからイルカショーがどうなっていくのかは正直なところよくわかりません。

 

少なくとも太地町における反捕鯨団体の振る舞いには多くの日本人が嫌悪感を示しているだろうし、イルカの問題については必要以上に敏感になってしまっていると思います。そのような状況で外圧で変われるのか。認知の低い状況で内側から変われるのか。

 

僕はできれば内側から変わりたいと思います。

そのためにはまずは知ることから始めましょう。

そもそもとか根本的にとか言うよりも1mmでも前に進む方が生産的なこともある。

「そもそも」という言葉は本当に勝算がある場合にしか僕は使わないことにしています。

 

「そもそも」とか「根本的に」とかっていう言葉を使ってみると、なんとなく自分が本質を見抜いているような気がします。

そういう言葉が物事を一気に進めることも往々にしてあると思うのですが、一方で議論が煮詰まってきて、課題解決の道筋が見えなくなったときに使われることも多くあります。

「そもそも会社が悪くない?」とか「根本的に法律の成り立ちが間違ってるよね」とか。

然るべき人が然るべきタイミングで勝算を持ってこれらのことを発言するのはいいんですよ。それによっていろんな課題が解決されるのは僕は大歓迎です。

 

でも、多くの人が気楽に口にする「そもそも」はそんな風に使われていないですよね。課題解決の方向を向いていない、ただの愚痴や呪いの言葉にしか思えません。

 

考えてみてください。根本的に間違っている問題を根本から正そうとするのはものすごく労力が必要です。労力だけでは解決できないことも多いです。

だからこそ「そもそも」とかいう前に自分に出来ることを一つずつ積み重ねて1mmでも全身していくことが重要です。

 

最近だと、スタバがプラスチックゴミを懸念してプラスチックストローを廃止するという発表をしました。

僕はこれが素晴らしいことだと思いました。

一方で、SNS上ではそもそもプラスチックを捨てることが問題じゃないの?という意見が散見されました。

 

ですが、スタバが多くの人のポイ捨てを辞めさせるのは難しかったと思います。

だからスタバは自身ができることをやった。これで十分だと思います。

こういうことの積み重ねが周りを巻き込んでより良い社会を作っていくものと思います。

実際にSNSで議論を起こせたこともスタバができることに挑戦したからでしょう。

 

ということで僕はこういう草の根の活動を積極的に応援して行きたいと思います。

 

そもそもって言葉をうっかり使ってしまったときに、この記事で書いたことを思い返してみてください。

 

ナショナル ジオグラフィック日本版 2018年6月号 [雑誌]

ナショナル ジオグラフィック日本版 2018年6月号 [雑誌]

 

 

 

人の赤ちゃんでも絵本を楽しめるので、動物向けのエンターテイメントをもっと作りたい。

この世で最も残酷なものの一つが強制された退屈だと思っているのですが、一方でスマホさえあれば退屈とは無縁に生きられるのではとも思っています。

 

実際、2018年の今でもスマホさえあれば家から1ミリも出ずともある程度の楽しみを得ることはできるのが実情で、これが例えば2030年ならきっと1年間家から出ずとも毎日新しい発見を得ながら生きていけると思います。

 

それぐらいテクノロジーの進化はすごいし、それは人間以外にもきっと拡張できるものだと思います。

 

実際、スマホを楽しむネコもいます。

可愛い。怠惰。笑

 

でもこれが動物園とか水族館に導入されたら、きっと動物たちの退屈も紛らわせられると思うんですよ。

ネコ向けの映画やアニメがあってもいいし、イルカ向けの映画やアニメがあってもいい。

 

そういう方向に僕たちの社会が進んでいってもいいと思います。

 

実際に、乳幼児向けの絵本の開発は東京大学でも進められています。

なんでももいもいという絵本がそうで、赤ちゃんの目をくぎづけにしたのはこの絵だったそうです。

 

現実的な話、人間の赤ちゃんよりも知能レベルの高い動物はたくさんいるので、彼ら向けのエンターテイメントは作ることができると確信しています。

 

 

だからそういうところに目を向ける仲間が欲しいと思った記事でした。

生き物が絶滅する確率は99.9%!!『わけあって絶滅しました。』は子どもにおすすめ!

1つの種、あるいはグループが地球上から永遠に姿を消すこと...それが絶滅です。
とてもひどいことのように感じますが、生き物の歴史をながめてみるとそうではないことがわかります。
動物たちが喜んで消滅していったわけではありませんが、大きな絶滅の後には、大進化を遂げる生き物がいるのです。
例えば、恐竜が絶滅したおかげで、鳥類や哺乳類は爆発的に進化しました。
大絶滅を乗り越えた生き物の中から、次の世代の動物が現れたのです。
私たちの祖先も、森がなくなって草原があらわれるという大事件でたくさんの類人猿が絶滅する中、それを乗り越えたものが人類になりました。
このように、絶滅は自然の仕組みの1つですが、

「自然が引き起こした絶滅」と、

「人間が関わった絶滅は」まったく別物。

なぜならば、人間による絶滅は次の進化した動物を生み出さないからです。
この本にはいろいろな動物の絶滅した理由が書かれていますが、1つとして同じ理由はありません。

この機会に、その違いを考えてみても良いかもしれません。

(はじめにより)

 

 

この本は彗星のごとく現れ、ほとんどの書店で平積みされている絶滅知らずの本です。

この本が売れている理由は2つあって、

「人は絶滅に興味があるから」と、

「説教くささがなく面白いから」です。

 

なぜ人は絶滅に関心が強いのかということを日曜日の朝から考えていたのですが、人は絶滅した生き物にロマンを感じ、絶滅した理由に特別な意味を見出したいからだと気付きました。

絶滅した生き物の生態や能力や見た目が特別であれば特別であるだけいいし、絶滅も誰にも見られず静かに滅んでいくのではなくて、何かイベントがあって滅ぶ方が良い。こんな気持ちがあるのでしょう。もちろん僕にもあります。

そしてこの『わけあって絶滅しました。』という本はそのニーズをバッチリ汲み取った本になっています。

 

プニプニすぎて絶滅したディッキンソニア

美しすぎて絶滅したブルーバック

ツノが豪華すぎて絶滅したションブルクジカ

好奇心で食べられて絶滅したグアムオオコウモリ

 

どれも僕たちが知りたい!と思うような絶滅の理由です。

 

そしてその紹介内容が面白いんですよ。

全部絶滅した動物たちの自分語りになっています。リョコウバトの紹介文はこんな感じです。

ヤッホー⭐︎平和のシンボル、ハトだよ!「どこにでもいそう」ってそれ当たってる〜。

だって一番多い時で50億羽も痛んだから。うちらが羽ばたくと空が暗くなって、羽音で会話ができないほどだったって。飛び去った後にはうんこが雪のように積もってたって。

ちょっと幻想的だよね♪

そんなわけで、うちらは食べ物を探してカナダとメキシコのあいだを行ったり来たりしてたの、そしたら人間がいきなり鉄砲でドキューンって!

数が多すぎたせいで、てきとうに売っても何羽かかならず当たってしまったの。

それで肉や羽毛目当てに、1日に20万羽も狩られるようになっちゃった!

うちらも増えすぎたと思うけど、人間もやりすぎだよね〜。

 

うん。説教くさくなくて、いい感じ。

過剰に悲しくなることを避けながらも、でもちゃんと絶滅の理由には向き合っています。

そして何より絶滅した生き物自身の自分語りにすることで、絶滅した生き物がかつて生きていたことを認識しやすくなっています。

 

amazonのレビューなんかを見ていると、「人が絶滅させておいて不謹慎な書き方をするな!」といった憤りの声もありましたが、子どもを対象としたこの本ではこの程度書き方が最も良いと思います。

悲しみに向き合うのは大人の仕事です。

筆者も絶滅、特に人がもたらす絶滅を憂いていることは、冒頭紹介したはじめにを読んでいただいてもわかると思います。

 

だからこの本は不謹慎でもなんでもなく、子どもに絶滅のことを知ってもらうきっかけになる素晴らしい本だと思います。

僕が親なら安心して買ってあげれる一冊です。

生き物に関心のある子どもにぜひ読ませてあげてください。読み聞かせてあげると一緒に笑えると思います。

 

子どもが勉強しないのはやる気のせい?集中力のせい?混同していませんか?

現在、仕事のかたわら、子どもの勉学支援の団体に所属して勉強を教えています。

 

どちらかというと勉強が得意な子どもというよりも、勉強が苦手な子どもが集まるようなところです。

 

ある程度、勉強の方法を身につけた子どもに勉強を教える方がこちらとしても、気が楽なのは間違いありません。

ですが、今は勉強が苦手な子どもに「勉強ってこういう風にやっていくんだよ」教えて、一緒に進んでいくのもなかなかに面白いものがあります。

 

ただ勉強が苦手な子ってやる気がないと誤解されがちだなー。としばしば感じます。

なので、それって本当にやる気がないせい?ということを書いていきたいと思います。

 

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あの子、今日、やる気ないから

ある日のことです。

いつも通り仕事終わりに塾に行きました。そして担当の子どものところに行く前に、同じ塾の先生に「あの子、今日、やる気ないから」と言われました。(決して嫌な感じの言い方ではなかったです。)

その日はその子と数学をやったのですが、確かに遅々として勉強は進みませんでした。

ただ一緒に勉強していてもやる気がないとは思わなかったんです。

 

ないのはやる気じゃなくて、集中力ではないのか

その日その子に足りなかったのは明らかに集中力でした。

  • 数学はその子が一番苦手なもので

  僕たちだって苦手なものや新しいものに挑戦するときには多大な集中力が必要になります。

  • 勉強していた時間は20時という食後かつ眠くなる時間で

  集中力は朝が最も高く、夜に向かって下がっていきます。また食後は血糖値の乱高下が起きるので集中力を保ちにくい時間帯です。

  • その日は朝から部活もしていた

  運動は集中力を上げる作用もありますが、疲れ切ってしまった状態では集中力を保てません。

 

こう考えるとその子のその日の勉強環境は集中力を非常に保ちにくく、その状態で苦手教科を選択するのは厳しかっただろうことが想像できます。それらを差し置いて、「やる気がない」と言い切ってしまうのは危険な気がしました。

 

その日の数学はもう無理だと思ったので、得意教科である国語の勉強にシフトしたらある程度勉強が進んだので、勉強へのやる気はあるんだなと実際に感じました。

ちなみに僕も、集中力の切れたときには超簡単な仕事をすることにしています。

 

集中力を学ぶことで子どもへの理解が深まり子どもをサポートできる

僕たちはもっともっと集中力に関心を持って、集中力のことを学んでいく必要があります。集中力のことを学ばずに、子どものことをやる気がないと言ってしまうのは子どもがかわいそうです。

 

僕たち大人に求められているのはそのように子どもを断罪することではなくて、集中力について正しく理解し、子どもの集中力を保つような環境を作ることです。

 

なぜ僕がこんなに集中力のことにこだわるのかというと、仕事がうまくいかなかったときに集中力のことを勉強して実践して、少なくとも仕事に関してはうまく回せるようになったからです。

 

メンタリストDaiGoの『超集中力』だけ読めばいい

先ほどから僕は「集中力の勉強をしてきた」と何度も言っていますが、実際に勉強したのはメンタリストDaiGoの超集中力を読んで実践しただけです。

  • 選択に迷うたびに集中力は低下する
  • 朝が最も集中できるタイミングなので難しい仕事に向いている
  • 食後は血糖値が乱高下するので簡単な仕事をするべき
  • 食後の血糖値の乱高下を防ぐためにミックスナッツを食べたらよい
  • 机の上には集中力を高める、青いものを置くべき

書かれていることは上述したようにシンプルで、そのほとんどが実践しやすいことばかりです。

そもそもこの超集中力という本はDaiGo自身が世界中の文献から集中力のことを学んできたのが始まりで、最新の集中力に関する学術的知見のエッセンスのみが抽出されたものになっています。

だからDaiGoの圧倒的な勉強の時間を僕たちは圧縮して学ぶことができるようになっています。

 

おわりに

僕たちはまだまだやる気や集中力を捉え切れておらず、しばしば混同して考えてしまいがちです。

ですが集中力に関する知識を得ることでやる気と集中力の違いを理解し、子どものことを誤解することも減ると確信しています。ぜひ勉強してみてください。

そしてそのための最高の本がDaiGoの超集中力という本です。ハウツー本ってあまり好きではありませんが、それでもこの本は買ってよかったと心から思える素晴らしい本です。

興味のある方は是非購入を検討してみてください。 

 

僕が紹介するまでもなくこの本はとても売れた本なので、図解バージョンも発売されています。